ヒトとコトと

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あのドレッシングがプチリニューアル!国産野菜100%、酸味はちょっとまろやかに。昔からずっと、そして今もやっぱり、好き。あのドレッシングがプチリニューアル!国産野菜100%、酸味はちょっとまろやかに。昔からずっと、そして今もやっぱり、好き。

九州で誕生し、全国に広がった「CO・OP野菜たっぷり和風ドレッシング」は、しょうゆ風味で具材感たっぷりのドレッシング。「これで子どもが野菜を食べてくれた」、という組合員さんからの声も多く、サラダ以外のお料理にもいろいろ使える魔法のドレッシングです。
これまで大きく仕様を変えることのなかったこのドレッシングが、発売から20年以上経った2017年春に初めてリニューアル。ベーシックな味わいは変えずに、使用する具材をすべて国産野菜に、そしてちょっとだけ酸味をマイルドに仕上げました。

「リニューアルの一番のポイントは、
味わいを大きく変えないことでした」。

多くの組合員さんに支持されてきた「CO・OP野菜たっぷり和風ドレッシング」が発売以来、初めてリニューアルしました。
「さらにこだわった商品にしよう」、「時代に合わせて、味わいも見直してみよう」と、再開発に取り組んだのは、このドレッシングを製造するフンドーキン醤油株式会社(以下、フンドーキン醤油)。ドレッシング工場長・池辺剛さんは、リニューアルを任されたときの気持ちをこう話します。
「長い間、組合員さんに愛され続けてきたドレッシングだけに、リニューアルによって『味が変わってしまった』と思われることが、大きなプレッシャーになっていました。味わいそのものは大きく変えずに、いかによりよいものにするか、ということに留意して、リニューアルに取り組みました」。

フンドーキン醤油株式会社 取締役 ドレッシング工場長 池辺 剛さん
「『CO・OP野菜たっぷり和風ドレッシング』は、わが家にとってもなくてはならない味。冷蔵庫に入ってないとさみしいんです」

今回、リニューアルした点は、ドレッシングの具材として使用している野菜を国産野菜だけにしたこと。かねてより「具材は、すべて国産のものを使用してほしい」という組合員さんの声があったことから、海外産の野菜をはずし国産野菜のみを使うことにしました。「野菜たっぷり」のネーミング通り、玉ねぎ、にんにく、乾しいたけ、しょうがを、具材としてたっぷり使っています。
もう一点変更されたのが「酸味」の部分です。
「ここ数年は、酸味がまろやかなものが好まれる傾向にありました。そこで、このリニューアルのタイミングで、酸味の部分を少し見直してみようか、ということになりました」と、池辺さん。そこで、オリーブオイルやりんご酢など、さまざまな原料を使い、試作した結果、「味のバランス的に配合を大きく変えなくてもいい」という理由で、お酢の一部に米酢を使うことになりました。米酢は、米を原材料とした醸造酢で、コクのあるうまみ、まろやかな味わいとやわらかな香りが特徴。「今まで通り、『野菜たっぷり』のおいしさはそのまま、少しだけまろやかな味わいになったと思います」と、池辺さん。ベーシックな味わいを守りつつ、ちょっとだけ酸味がまろやかになった新生「CO・OP野菜たっぷり和風ドレッシング」ができあがりました。

玉ねぎもにんにくも、
そしてしょうゆも「生」なんです。

「CO・OP野菜たっぷり和風ドレッシング」を作っているフンドーキン醤油は、大分県臼杵市にあり、文久元年(1861年)から続くしょうゆの老舗メーカーです。今回のリニューアルにあたり、本社からほど近い山あいにあるドレッシング工場におじゃましました。

1999年に完成したドレッシング工場

1999年に完成したという最新鋭の設備を誇る工場は、「環境と人にやさしい」をテーマにつくられており、排水処理には微生物を含んだ有機汚泥によって汚水を浄化する「活性汚泥方式」を採用しています。また、自然豊かな環境を最大限に生かすために、敷地内はアスファルト舗装をせずに、石畳にしています。これは、降った雨を地中に返すための工夫です。地中に染み込み込んだ雨水は、地下水となり、敷地内にある受水槽にくみ上げられ、工場内で利用されています。

この工場でつくられている「CO・OP野菜たっぷり和風ドレッシング」の特徴のひとつは、玉ねぎ・にんにく・乾しいたけ・しょうがと、その名の通り野菜がたっぷり入っていること。玉ねぎは九州産と北海道産、にんにくは青森県産、乾しいたけは九州産を主に使用しています。
味の決め手は何といっても“生”ですりおろした玉ねぎとにんにく。加熱殺菌をせずに高酸度酢に漬け込み殺菌することで“生”のまま使用することができ、素材そのものの風味やうまみ、食感を残しています。ドレッシング全体の約17%も使用している玉ねぎは、北海道産と九州産のものを季節によって使い分け、産地の切り替え時期には使用予定の玉ねぎを取り寄せて、味に差がないかを確認する徹底ぶり。味が大きく変わってしまわないように、少しずつブレンドしながら切り替えを行い、ドレッシングの味が安定するように微妙な調整を行っています。

その玉ねぎの下処理は、すべて手作業で行われています。それは、玉ねぎひとつひとつに腐れや傷みがないかを目視でチェックするため。ベテランから新人までパート従業員が、片手に玉ねぎ、もう一方の手に皮を風圧で飛ばすためのエアガンと、ナイフの2つを持ち、かなりのスピードでヘタを切り落とし、玉ねぎの皮をむいていく様子は、まさに職人技。
玉ねぎをカットして12年目というパート従業員の吉良美智子さんは、「1分間に平均15個から20個、ベテランになると、それ以上の数を処理していきます。最初の頃は、玉ねぎをカットしていると、涙が止まらなくなったりしてたいへんでしたが、今はもうすっかり慣れて、目も痛くならないし、涙もでなくなりました」と話します。

左)玉ねぎカットの達人・吉良美智子さん
右)片手にナイフとエアガンを持って、スピーディーにヘタをカットし、皮をむいていきます

生のまま使用される、玉ねぎとにんにくは、細かくミキサーできざみ、高酸度酢(12%)に一晩漬け込みます。さらに加熱殺菌したしょうが、乾しいたけ、その他の原材料を加えてかきまぜます。

具材の野菜原材料に生しょうゆや調味料を加えてかきまぜます

味のベースとなるしょうゆは、もろみを絞っただけの、加熱処理をしていない「生しょうゆ」。加熱する代わりに微生物を通さないフィルターでろ過処理をしているので、しょうゆ本来の豊かな香りやうまみがそのまま感じられます。これは、醤油製造会社ならではのこだわり。化学調味料を一切使用しないドレッシングには、このしょうゆの風味がしっかり生かされています。

今回のリニューアルで、野菜たっぷりのおいしさはそのまま、ちょっとだけマイルドな味わいに、そして使われている具材の野菜原材料が国産100%になった「CO・OP野菜たっぷり和風ドレッシング」。リニューアルと言っても、味わいに大きな変更はありません。「うちの子は、小さい頃からこのドレッシングでしか、サラダを食べないんです」、「他のドレッシングを使っても、やっぱり最後は、この和風ドレッシングに戻ります」と話す、開発メンバー。「長年、愛用していただいている組合員さんに『味が変わってしまった』と言われない範囲で、でも時代に合わせた味わいにする」というミッションは、このドレッシングを作り続けてきたメンバー、それぞれの想いでもありました。

ドレッシング工場のみなさん

組合員さんに育ててもらった
ドレッシング。

1980年代中頃、フンドーキン醤油では、「しょうゆ製造会社ならではの、他ではできないドレッシングを作りたい」と、当時ではめずらしいしょうゆベースのドレッシングを試作。組合員さんがコープのイベントでそのドレッシングを試食したところ、「とてもおいしいドレッシングだから、コープでも取り扱ってほしい」という声でコープでの取り扱いが始まりました。

このフンドーキン醤油のドレッシングが「CO・OP野菜たっぷり和風ドレッシング」の前身となりました。当時は大分県民生協のみで供給されましたが、組合員さんの間で当時他になかった“しょうゆ味”が話題に。その声に後押しされ、もっと多くの方に味わっていただきたいと「CO・OP野菜たっぷり和風ドレッシング」は九州地区限定のコープ商品として開発が始まりました。

今でこそしょうゆベースのドレッシングは一般的ですが、登場当時の1980年代頃には、しょうゆを使ったドレッシングは珍しく、日本生活協同組合連合会九州支所、地元組合員さん、フンドーキン醤油が協力しあって、生しょうゆや、すりおろした生の野菜を材料に、毎日食べても飽きのこない、野菜をたっぷり食べてもらえる味をめざしました。また、品質安定剤や化学調味料など不要な添加物はいっさい使用しないドレッシングとして完成。九州地区の多くの組合員さんに支持されました。

その矢先、時代が求めるヘルシー志向に応えようと、ドレッシングの油分を下げたことで、生揚げ(きあげ)しょうゆに閉じ込められた酵母菌や乳酸菌が容器のなかで活動をはじめ、キャップをとるとドレッシングが一気に噴き出すという事象が起きてしまいました。この出来事によって、10カ月の出荷停止処分を受けたフンドーキン醤油。そのときのことを振り返って、品質保証部の加藤さんはこう話します。
「あの時はたいへんでしたが、みんなが一丸となって問題解決に取り組みました。結果、生揚げしょうゆを数ミクロンの細かいフィルターでろ過して、菌を取り除くことで問題をクリアしました。ただ、当時はどういう微生物が影響しているのかを特定するのに、とても苦労しました」。

フンドーキン醤油株式会社 取締役 食品科学研究所 所長 品質保証部 部長 加藤 正さん

一方で、この出来事は、何百人という組合員さんから再発売を望む声が寄せられたことで、当時の和風タイプのドレッシングが、いかに支持されているのかを知るきっかけにもなりました。その組合員さんたちの期待に応えるべく、品質に対する取り組みは、一層厳しいものに。「弊社ではいち早く、遺伝子レベルで微生物を特定する検査方法を取り入れたんです。今では、どういった微生物が影響するのかがすべてわかっているので、原因になる原材料を使わないようにしたり、微生物が活動しやすい環境を作らないようにしています。また、微生物には、酢がかなり有効だということもわかっているので、多くの工程で酢を使っています。お酢をうまく使うことで、生の玉ねぎやにんにく、生しょうゆを使用することができているんです」と加藤さん。

目視でもしっかり品質のチェックをしています

発売から20年以上、現在まで愛されるロングセラーに育った「CO・OP野菜たっぷり和風ドレッシング」。「このドレッシングを使うと子どもが野菜を食べてくれる」「何にでもつかえる」「生野菜がおいしく食べられる」といった組合員さんの声が多く寄せられ、今では「このドレッシングを買いたいから生協をはじめた」と声が届くほどの、コープを代表する人気商品となりました。

1980年代半ば 組合員さんの要望を受け、フンドーキン醤油のブランドとしてスタート。
大分県民生協(現:コープおおいた)のみで供給を開始。
1988年 大分県民生協(現コープおおいた)で人気を得たことで、九州地区限定で「CO・OP和風ドレッシング」としてコープ商品化。ここでも、従来なかったドレッシングとして、またたく間に組合員さんの人気を獲得。また、「油分ばかり先に出てしまう」などの声を受け、容器のキャップ口をとんがりタイプに変更。
1990年 健康に配慮して油分を下げたことで、生揚げしょうゆの発酵菌が増え過ぎるという事象が発生。これを機に生揚げしょうゆを特殊な膜でろ過する技術を採用。味や香りはそのまま発酵菌だけを取り除くことに成功。
1994年 全国コープ商品として常温タイプの「CO・OP野菜たっぷり和風ドレッシング300ml」登場。
1995年 「すぐになくなるので、もう少し大きいものを」という要望から「お徳用500ml」タイプが登場。
2005年 「健康を考えて油分を減らしてほしい」という声を受け、油分控えめのカロリーハーフタイプが登場。
2017年 初めてのリニューアル。国産野菜100%使用、お酢の一部に米酢を使用して、酸味がまろやかになりました。