ヒトとコトと

商品に携わる人と想い、伝えます。

元鉄工所のひらめき、広島産かきの炊き込みごはん。この、かきだしに出会ったからこそ、具材は牡蠣だけの潔さ。

あったらいいな、
“季節感のあるごちそうご飯”。

「かきだし香る かきめし 2合用」は、組合員さんが一緒に商品づくりに参加する「あったらいいな!PROJECT」から誕生した商品です。“時短”と、おうちで“本格的な味”をテーマにした商品を作りたい、というところからスタートしたこの商品の開発。

まずは、組合員さんの声を広く聞くためにオンラインでのグループインタビューを行いました。そのときに出たのは、「炊飯器で手軽に本格的な味わいの料理を作りたい」、「季節感のある炊き込みご飯を楽しみたい」、「ハレの日のごちそうご飯が炊飯器ひとつでできたらいいな」という声でした。こういった組合員さんの声を分析した結果、当時、だしがトレンドになっていたという背景もあり、「季節が感じられて、だしの効いた炊き込みご飯」を作ろうというコンセプトができました。

日常的な炊き込みご飯の素はしょうゆベースの甘じょっぱい味付けのものが多いことがわかりました。そこで、ちょっと特別な「ハレの日の食卓」に似合う炊き込みご飯を、ということで具材探しをスタート。季節が感じられて、ごちそう感のある具材ということで白羽の矢がたったのが“かき”でした。

「これ、おいしい!」、元鉄工所の
技術にびっくりしました。

「だし感のあるかきの炊き込みご飯」という方向性が決まり、何度も試作が繰り返されましたが、「あったらいいな!PROJECT」のミッションのひとつである「今までなかったものを作る」という観点からは、通常の和風だしを使った“かきめし”では納得のいくものにはなりませんでした。

そんなとき、開発担当者が食品展示会で見つけてきたのが、広島県の小さな町にある瀬戸鉄工という会社が製造している「かきの焼きだし」でした。

「瞬間高温高圧焼成法(特許製法)」によりフレーク状になったかきの焼きだし

瞬間高温高圧焼成法という独自の技術で製造されている「かきの焼きだし(フレーク)」でとっただしは、かきのうまみをそのままだしにしたような、まったくかきの臭みがないクリアで上品な味わいになることがわかり、「これなら、だしまでかきにこだわったかきめしを作ることができる」ということで、このだしを使ったかきめしの商品開発を進めることになりました。

日本生活協同組合連合会 戦略商品開発担当(開発当時) 平野 路子さん

まず、かきの焼きだしだけを使いご飯を炊いてみたところ、芳醇な香りとかきのうまみがお米にしっかり染みた品のいい味わいに炊きあがりました。ただ、粉末状のだしでそのまま炊き込んだため、見た目に粉末の粒々が残ってしまったので、「かきの焼きだし」でとった液体のだしで商品化することに。これにより、見た目の問題もクリアして、次に炊き込みご飯に使うたれの味を調整する段階に一歩進みました。

かきだし香る かきめし 2合用 付属のだし

「もっとだし感を強く」、「塩分を抑えめに」など数回に渡り調整を繰り返した結果、かきの香りがふんわり香り、程よい塩加減のたれが完成。具材についても、市販されているかきの炊き込みご飯の具を調べたところ、定番のごぼうなど、野菜を一緒に炊き込むとせっかくのかきの風味がごぼうの香りに邪魔されてしまうことがわかり、すぐに却下。
かきの風味を存分に楽しんでいただくためには、あえて具材は広島県産の大粒のかきだけ、という結論にたどり着きました。

元 鉄工会社ならではの独自の技術「瞬間高温高圧焼成法」で作る焼きだし

瀬戸内海を一望する高台に建つ 有限会社 瀬戸鉄工 社屋

広島県南西部に位置する呉市の瀬戸内海を臨む高台に建つ有限会社瀬戸鉄工は、1970年に鉄工所としてスタートした会社です。現在、社長を務めるのは3代目の瀬戸勝尋さん。「創業当初は鉄工所でしたが、やがて食品容器の製造を手がけるようになったことがきっかけで、本格的に食品業界に参入しました」。

有限会社 瀬戸鉄工 代表取締役 瀬戸 勝尋さん

有限会社瀬戸鉄工は、食品製造分野において、鉄工所として培ってきた技術を進化させ、食品の栄養素を逃がさずに加工する「瞬間高温高圧焼成法」をあみだしました。

食品業界に参入した今も(有)瀬戸鉄工の社名を守り続けています

瀬戸鉄工独自の食品加工法である「瞬間高温高圧焼成法」は、食品素材に瞬間的に焼入れをしながら加圧する方法。瞬間的に加工することで素材のうまみ、栄養素を逃がしません。さらに高温で一気に焼くことで、香ばしい風味が強くなり、高圧を加えることでパリッとした食感を出す製法です。「200℃以上の熱で一瞬で芯まで均一に焼成することで組織が壊れ、うまみ成分をすばやく抽出することができます。また、熱を加えながら、およそ60トンの圧もかけているので、素材がつぶれるとともに発泡を起こすので表面積が広がり、短時間でだしをとることができます」と焼きだしについて説明してくださいました。

〜瞬間高温高圧焼成法〜

「瞬間高温高圧焼成法」は、素材を高温で芯まで焼き上げながら、高圧でプレス。素材を0.2mm以下の薄さに「焼成」する特許製法です。

200℃以上の熱で瞬間的(0.6〜1秒)に焼成することで、かきの組織が壊れ、うまみ成分を抽出しやすくします。また、素材の水分を瞬間的に飛ばすことで、雑味やえぐみなどがなくなり、うまみや香り、風味が凝縮されます。さらに、約60トンで一気に加圧することで、圧力から解放された素材は瞬間的に発泡。表面積が増え、だしが出やすくなります。
こうして、かきを瞬間的に加工することでうまみを逃さず、濃厚なかきのだしをとることができるのです。

旬の広島かき、うまみをギュッ。

養殖筏より かきを水揚げする様子

全国の生産量の約7割を占めている広島県産かき。波が静かで潮の流れも適度にある広島湾は、流れ込む河川水の影響で塩分濃度がほどよく保たれ、少し薄めの海水を好むかきに有利な条件です。またプランクトンも豊富なことから、良質のかきが育つ環境が整っています。広島では毎年、10月頃から養殖かきの水揚げが解禁。およそ9mもある垂下連にびっしりとついたかきは、船にクレーンを建て、ウインチで巻き上げて収穫します。その後、かき打ち場に運ばれたかきは、「打ち子さん」と呼ばれる熟練した女性たちの手によって殻がはずされ、次々とむき身になっていきます。

ベテランの打ち子さんたちが手作業でむき身にします

広島県尾道市に本社を置くクニヒロ株式会社は、広島県産のむき身かきのうち、実に4分の1の量にあたる年間約5,000トンのかきを取り扱っているかきのトップメーカーです。

クニヒロ株式会社 営業部部長 兼 東京営業所所長 川﨑 博史さん

「かきだし香る かきめし 2合用」では、このクニヒロ株式会社が加工した広島県産かきを使用しています。鮮度を保ったまま工場に運ばれたかきは、到着後すぐに洗浄し、貝殻や異物の混入がないかを目視検査。身割れがないものやサイズが揃っているものなど、品質が確かなものだけをマイナス35℃で約20分間で急速凍結させ、かき本来のうまみを逃すことなくギュッと閉じ込めます。凍結した商品の選別はすべて熟練した職人があたる徹底ぶり。必ず一つひとつのかきを人の目でチェックしています。その後も鮮度劣化がおきないように温度管理を行い、獲れたての味をキープ。かきならではの、磯の香りとコクを季節問わず楽しむことができます。

貝殻や異物の混入、不良品を防ぐため目視検査を実施

「かきだし香る かきめし 2合用」に使用しているかきは、広島県産かきのなかでも、特に身の中にうまみをたっぷりと蓄えた年明けから春先までの時期に水揚げしたもの。サイズにもこだわり、1粒約20gの大粒に揃えています。かきは、加熱調理をすると縮んでしまうというイメージがありますが、その縮みが少ないのもクニヒロ株式会社の冷凍かきの特徴です。その秘密は、洗浄水にあります。

海水に近い塩分濃度で洗浄

約3%の塩分濃度の海水で育ったかきを真水に入れると余分な水分をかきが吸ってしまうため一時的にかきは大きくなりますが、調理する時の熱で水分が逃げてしまうので大きな縮みがおきます。クニヒロ株式会社では、海水に近い塩分濃度の洗浄水を使用。かきの塩分と海中にいた時に近い水分が保たれることで、加熱しても縮みが少ない冷凍かきになるのです。

パイオニアたちの高い技術、
パートナーシップにより完成

「かきだし香る かきめし 2合用」は、かきだしを使ったたれと、大粒の広島県産のかきが8個という至ってシンプルな組み合わせ。それだけに、素材そのものの品質やうまみ、味わいを大切に作った商品です。「有限会社瀬戸鉄工」や「クニヒロ株式会社」という、それぞれに高い技術を誇るエキスパートが出会ったことで、「世の中にないものを作る」という「あったらいいな!PROJECT」のミッションが完了。「かき好きな人が食べて、本当に満足してくれるかきめし」が完成しました。2016年5月に実施したモニターアンケートには、組合員さんからうれしい声が届きました。

組合員さんの声

  • ・夫が一口食べて「うまい!」と思わず言ってしまうほど、とてもおいしかったです!炊いているときからとってもいい香りがして食欲をそそられました。かきも大粒で満足です。
  • ・かきの良い香りと共にだしの効いたご飯がおいしくて、お箸が進みすぎて困った。かきがふっくらと仕上がったのも嬉しかった。
  • ・お弁当に入れました!冷凍庫から出してすぐ炊けるのが助かりました。おいしくとっても便利なのですぐ買いたいです。ごちそうさまでした。
  • ・炊いている最中もおだしとかきのいい香り!かき大好きの20代の息子と私は、縮まることなくふっくら炊き上がったかきめしに刻んだみつ葉をのせて頂きました。
あったらいいな!PROJECTあったらいいな!PROJECT

「あったらいいな!PROJECT」とは、組合員の皆さんから「こういう食卓を作りたい」「こんな商品があったらいいな」という、願いやニーズを聴き取り、ほかにはない新しい商品を開発するプロジェクトです。
組合員さんにアンケートや商品の調理・試食、グループインタビューなどにご協力いただき、商品のコンセプト、味、大きさなどについての意見や数値結果を参考にしながら、商品開発のキーワードとなるものを一から探り、組合員さんの「あったらいいな!」をカタチにしています。