ヒトとコトと

商品に携わる人と想い、伝えます。

豊かな自然の恵みと生産者の情熱がまるごとつまった、りんごジュース。「りんごのおいしさを熟知しているから、おいしいりんごジュースが作れる」

「信州産まるごとシリーズ」は、長野県産のりんごを原料として使用したストレート製法のジュース。中央アルプスのふもと、長野県松川町の自然が豊かな丘陵地にある「なかひら農場」。約8ヘクタールもある広い農場で育てたりんごを、畑の真ん中にある工場でジュースに加工しています。

コープデリ宅配のジュース担当バイヤーが、かつて飲んだ「なかひら農場」で作られたにんじんジュースに惚れ込み「あの時の感動を組合員さんにもお届けしたい」という想いから、コープデリ限定りんごジュースの取り扱いが始まりました。人の想い出に残るようなジュースとは、どのように作られているのでしょうか。「なかひら農場」にお話を伺いに行くと、おいしいジュースを作るための、りんご作りへの情熱が見えてきました。
「人の英知が最高のりんごジュースを作り出す。こんなにおもしろいことはない」と、りんごジュースに熱い情熱をかける生産者さんのもとで、長野県産原料を使用したストレートジュース「信州産のまるごとシリーズ」は作られていました。

真正面からりんごと向き合う。

「なかひら農場」2代目社長の中平孝雄さんと、その息子である専務の中平義則さんにお話を伺いました。
「りんごは人と一緒。若い樹になるりんごは、すごくおいしくなるものもあるけど、味にムラがでる。30年〜60年の樹は落ち着いて、おいしいりんごが穫れる。70年経つと実は小さいけど、どんな年でも安定した味のりんごになる。その変化がおもしろい」と、りんごの生産を楽しみ、真摯に向き合ってることがひしひしと伝わってきました。

「天候をいいわけにしない」

専務の中平義則さん

近年の激しい気候変化は、農産物の生産者さんにとっては大きな問題です。しかし、専務の義則さんは「長雨だったから、おいしくなかったね。などと天候をいいわけにはしたくない。天候の影響でおいしくできなければそれはミス。人間に何かできないか考え、りんごの樹がその変化に立ち向かえる体力を作る必要があると考えます」と語り、研究を重ねて、りんごの樹に様々な工夫と努力をしています。
摘花(後に実となる花を間引きのように摘むこと)の工夫もその一つ。りんごの実の細胞の数は、摘花によって大きく変化します。摘花を少なくし、たくさんの実がなるようにすると、りんごの実一つあたりの細胞の数は減ります。逆に、摘花を増やし実の量を減らすと、一つあたりの細胞の数は多くなります。細胞の数に比例して受け止められる水分量も増えるため、細胞の多いりんごは大雨も受け止め、実が割れてしまったりふやけてしまうことを防ぐことができるのです。
「毎年同じことをするのではなく、その年の状況に合わせて育て方を変える。だから、大変ですがおもしろいんです」と語る義則さん。一般的な摘花よりも思い切ってたくさんの摘花を行い、生産性よりも生命力のあるりんごを育てることに力を注いでいます。
「雨が長かったという時にも大丈夫なように工夫する。農業は太陽の光をお金に変える土の錬金術。それをさらに人間の英知を使って最高のジュースにする。こんなに面白く、楽しく、やりがいのあることはない」と語ってくれました。

生命力のある樹が自慢

りんごの生産・収穫は重労働。生産者が高齢化していることもあり、台木を使用して樹を小さく育てる「わい化栽培」を取り入れて、面積あたりの収穫量を増やし、作業の効率化を図る農場も増えています。「わい化栽培」のりんごの樹は細長く伸び、規則的に整然と並んで育てられていることが多いです。しかし、この栽培方法では枝も小さく、根も横に広がらないため、寿命が短い、災害に弱いなど、樹の生命力が弱くなるデメリットもあります。
「なかひら農場」では「わい化栽培」は取り入れず、枝や根が大きく広がるように育てています。りんごの樹は、枝の広がりと同じように根も広がります。根が横に広がると、水を自分で探すことのできる生命力のある樹に育ちます。また、葉も太陽に当たるところが増え、栄養をたくさん作ることができるのです。

「力強い生命力のある樹からできるりんごの味は格別。うちのりんごには、深みとコクがある」と社長の孝雄さんは語ります。

社長の中平孝雄さん

生産者同士、支え合って作る。

加工品にするための設備は非常に高価なため、各々のりんご農家がジュースに加工し、販売するのは難しいことです。「なかひら農場」では、近隣の農家に生食に向かないりんごを直接持ち込んでもらい、りんごジュースに加工し、それぞれの農家でも販売できるようにしています。生産者同士が手を取り合って生産できるコミュニティづくりにも、積極的に取り組んでいます。
また、約50人いる従業員も大切にし、定年を過ぎても本人が望めば仕事を継続できるようにしています。取材の際も、みなさん自分たちで脚立をひょいっと抱えて、傾斜地のりんごを収穫していました。

左から、松上さん、渋谷さん、山下さん、小山さん。年齢を感じさせないパワフルさ

「りんごを作るのも、
ジュースにするのも
自分たちだから、
味には責任がある」

一般的には、りんごの生産者とジュースに加工する業者は別々になっていることが多いですが、「なかひら農場」では生産したりんごを自らりんごジュースに加工しています。「りんごのおいしさを熟知しているから、おいしいジュースが作れる」「りんごを作るのも、ジュースにするのも自分たちだから、味には責任がある」と専務の義則さんは語ります。
熟しすぎて落ちてしまった果物や、傷や熟し度合いで生食用に出荷できなくなってしまった果物が、ジュースに加工されることも多いなか、「なかひら農場」では、りんごジュースに加工するためにりんごを育てています。青果として出荷するりんごは、消費者の手に届く頃に食べごろになるよう、完熟する前に収穫してしまいます。しかし加工用のりんごは、見た目よりジュースにする時のおいしさを追求し、早すぎず、遅すぎず、完熟までりんごを樹にならしておくことができます。一番おいしいタイミングで収穫したりんごを、贅沢にジュースに加工することができるのです。

りんご「一個」まるごとより、
りんごの樹「一本」まるごと。

りんごは芯まですりつぶして使用しています。芯まで使うことで味が複雑化し、素材そのもののおいしさを味わえるのです。
また、りんごは同じ樹でも、枝の先や根元など、実る場所によって味が異なるそうです。「なかひら農場」では、樹一本分を丸ごと使いジュースにすることで、甘みや酸味のバランスが複雑化し、おいしさを生むことができるのだそうです。「りんご一個食べるより、りんごの樹一本の方がさらに複雑でおいしい」と、専務の義則さんは話してくれました。

すりつぶし製法であらごし果肉たっぷり。

信州産のまるごとシナノゴールド

「なかひら農場」のりんごジュースは、搾るというより、“すりつぶし”。
すりつぶしてから濾し器で濾してジュースにすることで、濾し切れなかった「あらごし」果肉がたっぷり入り、まるでりんごそのものを食べているような食感を楽しめます。ストレート製法は原料そのものに左右されますが、りんごの品質、完熟まで待ってから加工とおいしさを徹底的に追求している「なかひら農場」の自信がそこに現れています。

加工の際に最終的に余る皮や芯の一部は、木の葉などと混ぜて発酵させて肥料にしています。「りんごを育てるためにりんごを栄養にしているのも、おいしさの鍵かもしれない」と専務の義則さんは話していました。

旬の味をお楽しみください。

りんごの種類と取り扱い時期の目安
※「信州産まるごとシリーズ」のうち「つがる」のみ、果肉を含まない、さらりとしたタイプです。

「信州産まるごとシリーズ」は、9月から12月に収穫できるりんごを使用してジュースを作っています。りんごそれぞれの甘みや酸味の異なる味わいを、1年を通じて楽しんでみませんか?