ヒトとコトと

商品に携わる人と想い、伝えます。

発色剤を使わずに作った、無塩せきの「CO・OPポークウインナーブラウンマイスター」パリッとしてるのにしっとり。このおいしさはわが家の定番。発色剤を使わずに作った、無塩せきの「CO・OPポークウインナーブラウンマイスター」パリッとしてるのにしっとり。このおいしさはわが家の定番。

「CO・OPポークウインナーブラウンマイスター」は、「組合員さんにもっと愛される商品を」との想いから生まれました。ジューシーで噛みごたえのあるあらびきと、ペースト状にひいてあるから冷めてもしっとりなめらかなほそびき。その両方のよさを併せ持ち、さらに発色剤を使用せずに作った「無塩せき」ウインナーとして、コープデリ、日本生活協同組合連合会と明治ケンコーハム株式会社(以下、明治ケンコーハム)とで共同開発されました。2001年の商品デビュー以来、コープデリのロングセラー商品です。

「無塩せき」の製品づくりを
はじめて40年

「CO・OPポークウインナーブラウンマイスター」を作っているのは、ハム・ソーセージなどの食肉を中心とした加工食品の製造・販売を行う明治ケンコーハム。40年以上の長きにわたって「無塩せき」商品を作り続けてきた会社です。明治ケンコーハムで無塩せき商品を作り始めたのは1974年。当時の「名古屋勤労市民生協」組合員さんの「子どもたちに安心して食べさせられるハムやソーセージを」とのアンケートの声に応えて開発されました。その特徴は、お肉本来の色合いが生かされていること。発色剤をはじめとする「使わずに済む添加物はできるだけ使わずに」という想いの下に、明治ケンコーハムの衛生面での設備技術向上の歴史はあります。
無塩せき商品を開発した当時、食肉業界には無塩せきに対して否定的な見方が多くありました。その理由は、保存効果のある発色剤を使わないことによる衛生面での不安です。そういった風潮の中で基準を満たした無塩せき商品を作ることを目指して、衛生管理を徹底するための設備の数々を整えていきました。いわば、明治ケンコーハムの衛生面での設備技術は、「使わずに済む添加物はできるだけ使わずに」という努力の中から培われたものなのです。

生産を担っているのは、静岡県にある明治ケンコーハム三島工場。食肉加工において高い品質を守るための設備がここには揃っています。

日本のほぼ中央、富士山や箱根をはじめとする自然に囲まれた豊かな土地にある、静岡県・明治ケンコーハム三島工場。竣工は1968年

まず第一に、原料の解凍のためのシステム「静電場解凍装置」。肉に電圧をかけて肉の内部から直接解凍することで解凍時間を短縮し、うまみのもととなる成分が細胞の外に溶け出すことをおさえ、肉の中においしさをしっかりと残したまま製品化します。第二に、「低温クリーンルーム化」された包装室があります。小さくデリケートな食品であるウインナーに添加物を極力入れずに製品化するにあたって、室温を約8~9°Cに維持し、細菌の増殖を抑制しています。

生産本部 三島工場長の久米大造さんはこう話します。「無塩せきの製品についてこだわりを持ち、おいしく品質的にも優れたものを求めて、少しずつやり方も変えてきました。低温クリーンルーム化もそこで働く人には寒くて申し訳ないのですが、安心安全で温度管理・衛生管理の行き届いた環境を実現するために工場も設備を変え続けています」。

「お客様のことを第一に考えながら、よりよい方法を選んでいくことがメーカーの仕事です」と、明治ケンコーハム株式会社 生産本部 三島工場長の久米大造さん(2018年4月12日現在)

あらびきとほそびき、
二つのおいしさをいいとこ取り

ウインナーと言えばおそらく誰もが想像するのが、ジューシーで噛みごたえのあるあらびきタイプと、しっとりなめらかなほそびきタイプ。対照的な二つの食感はそれぞれに好みも分かれるところだと思います。ならば、その両方のよさを持ったおいしさが実現できないかとの想いから生まれたのが「CO・OPポークウインナーブラウンマイスター」です。

このバランスのいい食感を実現するための工程について商品開発部 開発技術課 野澤実恵さんはこう話します。

「時には町のお肉屋さんのウインナーを買ってきて研究したりしながら、よりよい製品を目指しています」と、明治ケンコーハム株式会社 商品開発部 開発技術課 野澤実恵さん(2018年4月12日現在) ※商品は旧パッケージです

「あらびき肉は脂の粒が大きいため、脂の比率が多いと燻製をして熱をかけたときに脂が分離してしまうことがあります。それをおさえるために、肉と脂をなめらかになるまで練ったほそびき肉をブレンドすることにしました。あらびきのジューシーさをしっかり残しつつ、冷めてもしっとりなめらかな、ほそびきのよさも生きたウインナーになります。
ポイントは、特性の違った二種類のひき肉を別々に仕込んでおくこと。特にほそびき肉は、カッターと呼ばれる機械で練っていくのですが、練りすぎると肉がやわらかくなりすぎ、練りが足りないと食感にあらさが残ってしまいます。お肉の状態や産地の違いなどに応じて食感をコントロールする、熟練の感覚が求められる作業です」。
別々に仕込まれた二種類のひき肉を、香辛料などを加えて再び練り合わせます。こうしてウインナーの食感の主役となる練り肉ができあがります。

食感を左右する大切な工程、練合作業。噛みごたえのあるあらびき肉となめらかな食感のほそびき肉がここでブレンドされます

「CO・OPポークウインナーブラウンマイスター」の開発での苦労を、当時開発に携わった 生産本部 三島工場 製造課 横山裕郎さんはこう語ります。「食感があるもの。あらびきではないもの。それに加えて、今の時代でも同じように求められる、『できるだけ塩分を控えめにしてほしい』という要望がありました。でも、ウインナーというのは塩がないと結着力が生まれず、食感が決まらないんです。塩というのは調味料としての意味合いはもちろん、肉に含まれるタンパク質を抽出して肉同士をくっつける役割もあります。この力を利用することで、初めてウインナーになるんです。食塩の量が減ると、タンパク質の抽出量も減るから肉同士が上手く結びつかず、ボロボロになってしまう。この問題をどうやって解決するかが鍵でした」。

「食というのは時代の影響を受けるもの。だから常に組合員さんの意見に耳を傾けながら工夫していくことが大事です」と、生産本部 三島工場 製造課 横山裕郎さん(2018年4月12日現在) ※商品は旧パッケージです

「試行錯誤をくり返して、たどり着いたのがカルシウムを使うこと。卵の殻を乾燥させてすり潰した卵殻カルシウムを使うことにより、結着力を落とさずに食感を保つことができるようになりました」。
また、できた練り肉を詰める「ケーシング」にもこだわりました。近年はウインナー、一つひとつのサイズが揃いやすいためコラーゲンやゼラチンを加工して作った人工のケーシングを使うことが増えていますが、「CO・OPポークウインナーブラウンマイスター」では、特有のパリっとした食感や味にこだわって羊腸(羊の小腸)を使用。その上で、仕上がりのサイズを可能な限り揃えるために羊腸の直径の規格など選別基準を厳しくしました。組合員さんにモニターとして試食していただきながら何度も改良を繰り返し、約一年の開発期間を経て完成しました。

左)練り肉を羊腸に詰める充てん作業。ウインナーの形はこうしてできます
右)熱処理を終えると、燻製されたウインナーはツヤのある褐色に

ウインナーの本場ドイツでは、マイスター(meister)は「親方・名人」を意味します。それにウインナーのおいしさの象徴である燻製の色(brown)を合わせて名付けられた「CO・OPポークウインナーブラウンマイスター」。明治ケンコーハムが長年大切にしてきた無塩せきへのこだわりと、培ってきたウインナー作りの技術と想いがたっぷりと詰まっています。野澤さんは話します。「お子さんからご年配の方までおいしく食べられる、あっさりとした甘めの味つけで仕上げています。お弁当にもぴったりです。小気味よい食感のあらびきと、冷めてもおいしいしっとりしたなめらかさのほそびき。二種類のおいしさのブレンドをぜひ味わってみてください」。

加熱してパリッとさせて食べても、冷めてからお弁当で食べてもおいしい食感を、試行錯誤の末、実現しました