

シンプルな原材料でつくった
キッズ用ウインナー
子どもの朝食やお弁当に大活躍のウインナー。でもちょっと気になるのは、ずらっと並ぶ原材料表示の多さ。子どもに食べさせるなら、できるだけシンプルなものを選びたい。そんな声に応えて誕生したのが「CO・OPちっちゃなキッズウインナー」です。
この商品は子育て中の組合員さんを応援するキッズ向け幼児食シリーズ「CO・OPきらきらキッズ」の商品です。
野菜入りは求められていなかった?!
「ウインナーは添加物が気になる」という声を取り入れて、「できるだけシンプルな配合でつくろう」というコンセプトのもとに開発された「CO・OPちっちゃなキッズウインナー」。しかし、そこに行き着くまでには、ちょっとした寄り道もあった、と振り返るのは、コープデリの二神開発担当です。
「最初は、ウインナーの中に野菜パウダーを入れたらどうかなっていう案がありました。親の想いとして、子どもに野菜を摂らせたいというのは常にあると思うので、ウインナーにも野菜が入っていたら喜ばれるんじゃないかと思い、試作を進めました」。
1回目の試作では、ほうれん草パウダー入りとにんじんパウダー入りの2種類のウインナーをつくり、グループインタビュー「声をきかせて」で、子育て中の組合員さんに試食してもらいました。
「これがとてもとても不評で。ウインナーに野菜が入っているからって買うかっていうと、そういう問題じゃないと。ウインナーに野菜は求めてないという意見が多く、コテンパンにやられました」と苦笑する二神開発担当。その声を受けて、すぐに軌道修正。余計なものは加えずに、できるだけシンプルな配合で、「子どもに安心して食べさせられるウインナー」をつくることにしました。
無塩せきでシンプルな原材料
国産にこだわり、シンプルな配合で子ども用のウインナーをつくってほしい、という依頼を受けたのは、米久株式会社(以下、米久)です。ハム・ソーセージなど食肉を中心とした加工食品の製造・販売を手がけている米久は、50年の長きに渡り「無塩せき」商品をつくり続けてきた実績があります。
「無塩せき」とは、ハム・ソーセージの製造工程で原料肉を漬け込む際に、亜硝酸ナトリウムなどの発色剤を使用しないで製造すること。今回は、「無塩せき」であることはもちろん、その他の食品添加物も極力使用せずにつくってほしいという依頼でした。
「最初に話を聞いたときは、非常に難しい開発になるなと覚悟しました」と話すのは、米久の青木拓人さんです。
その予想通り、開発はかなり難航。通常の商品開発では、平均4〜5回の試作で商品設計が完成するところ、今回の試作は、その10倍の50回にも及びました。

左から 米久株式会社 青木拓人さん、横井厚さん
「CO・OPちっちゃなキッズウインナー」の原材料表示は、5つ(国産豚肉、国産豚脂肪、食塩、砂糖、香辛料)。ここまでシンプルな配合でつくるのは容易ではありませんでした。
「難しかったのは、脂を分離させずに食感を安定させることでした」と青木さん。食肉加工品では、脂の乳化が重要な要素になってきます。脂が分離してうまく乳化しないと、食感に影響してしまいます。そのため、食品添加物の乳化剤を使うのが一般的ですが、今回、乳化剤を使用しないというのが条件だったため、微妙な調整を繰り返して食感を安定させていきました。
「一般的には、食品添加物を極力使わないようにしながらも、食品添加物の代わりとなるもの、たとえば結着を改良するリン酸塩の代わりにカルシウム剤ですとか、保水ということでいえばタンパク系なんかを入れて商品化していた実績はありますが、今回のようにそれらもできる限り使用しないということについては非常に難儀な課題でした」と補足してくれたのは、米久の横井厚さんです。
また、味付けの点でも、キッズ用ということで食塩と砂糖、わずかな香辛料でやさしく仕上げています。
「発色剤を使用していないため、お肉のにおいや色味がそのまま出てしまうので、マスキング(肉の不快臭を包み隠す)効果があるホワイトペッパーなどの香辛料を子どもでも気にならない程度に使用しています。色味に関してもスモークする時間を調整することで薄めの色を出しました」と青木さん。
国産豚肉は、うまみの濃いウデ肉とスネ肉をブレンドして使用。ペースト状にしたものと、3mm程度の粒状にした2種の挽き方で、口あたりがソフトで、ジューシーなお肉感も味わえるように工夫しました。

ソフトでジューシーな味わいのミニウインナー。朝食のおかずにも便利です
子どもが食べやすい皮なし、
ちっちゃいサイズ
口の中に皮が残ってしまったり、皮を噛んだ時のプチっとした食感を嫌がるお子さんも多いことから、幼児でも食べやすいよう皮なしタイプにしました。1本約7g(長さ約4.5cm)のミニサイズなので、子どもの朝食やお弁当はもちろん、チャーハンやオムレツ、炒め物、スープなどの具材としても便利に使えます。

カットしてパンケーキやオムレツの具材に!
野菜入りからシフトチェンジして、とことんシンプルな設計で試作したキッズウインナーを子育て中の組合員さんに試食してもらったグループインタビューでは、「シンプルな原材料でいい。しっかりお肉の味もする」、「子どもでも噛み切れるので、皮なしタイプはうれしい」、「子ども向けにはこのくらいの塩加減がいい。香辛料も気にならない」という好評の声が多数きかれました。
「コープ商品のウインナーソーセージの中でもここまでシンプルなものはこれしかないので、子育て中の組合員さんはもちろん、多くの方にこの商品を知ってほしい」というコープデリの二神開発担当。
「発色剤などの食品添加物を使えば見た目もキレイになったりおいしくもなりますが、できるかぎりシンプルに、安心・安全なものをつくりたいという想いが実った商品です」と胸を張ります。
子どものための商品だからこそ、食感、色味、味わいすべてにおいて妥協することなく開発に取り組んだ結果、「CO・OPちっちゃなキッズウインナー」が完成しました。
組合員さんの声


子どもに安心してあげられます。小ぶりですが本数が多いのでコスパも良く、お弁当や朝食に使っています。
