輸入柑橘のこと、いろいろ気になります

いつでも買える、いつもおいしい。
コープデリの輸入柑橘

コープデリでは、一年を通しておいしい柑橘をお届けできるよう、国内はもちろん海外にも目を向け、新たな産地を探しています。今回はコープデリの指定産地であるトルコ「オズラータリム社」のおいしさへの取り組みと、組合員さんに輸入柑橘を安心して手に取っていただくためのコープデリの取り組みについてご紹介します。

異国の地で育つ日本人好みの柑橘類

西洋と東洋が交差する国、トルコ共和国アダナ県。
地中海性気候に恵まれ、柑橘の栽培に適したこの地に、コープデリが柑橘類を輸入している企業のひとつ「オズラータリム社」があります。約700haもの広大な敷地で、グレープフルーツやマンダリン、オレンジ、レモンなどの柑橘類を生産しています。

オズラータリム社の園地風景。年間の生産量は約1.5万トンにも上ります

オズラータリム社の園地風景。年間の生産量は約1.5万トンにも上ります

オズラータリム社が生産する柑橘の約6割は、品質基準の厳しいヨーロッパや日本市場向け。苗木の生産から輸出まで一元管理を行い、品質とトレーサビリティの徹底にも力を入れています。「食味はもちろん、安全性への取り組みもここまで徹底している企業はなかなかない」と話すのは、コープデリ連合会で柑橘類を担当する中村昇バイヤー。現地を訪れた際、「きちんと食味や安全性を評価してくれる国に出荷したい」という同社の社長の思いを聞き、信頼できるパートナーだと確信したといいます。

現地のスタッフと実際に園地を歩き、柑橘の栽培現場を見学しました(2025年3月訪問時)(写真右:コープデリ連合会生鮮調達農産部の中村昇バイヤー)

現地のスタッフと実際に園地を歩き、柑橘の栽培現場を見学しました(2025年3月訪問時)
(写真右:コープデリ連合会生鮮調達農産部の中村昇バイヤー)

柑橘の栽培においては、日本式の「水切り栽培」という手法を導入しています。果実の水分量をコントロールすることで糖度を高める栽培方法で、日本から指導者が現地を訪れ、導入を行いました。「海外の園地でここまで食味向上のための工夫をしているところは珍しい」と、中村バイヤーもその取り組みを高く評価しています。

徹底した安全対策で日本の食卓へお届け

近年、国産柑橘は天候不順に加え、生産者の高齢化や鳥獣被害などの影響で、安定した供給が難しくなっています。そこで、不足を補う役割を担っているのが輸入柑橘です。海外から届く輸入柑橘は、長い船旅を経て日本に到着します。たとえばトルコ産の柑橘は、エジプトのスエズ運河を経由し、到着までにおよそ1か月かかります。その間、どうしてもカビや腐敗といった劣化リスクが避けられず、過去には輸入品の半数が傷んでしまったという事例もありました。

このような廃棄ロスを防ぐために、防カビ剤を使用している商品もあります。防カビ剤は、食品衛生法で認められた薬剤を基準通り適正に管理・使用することと、「食品添加物」として商品への表示が義務づけられています。ヤシの実由来のワックスに防カビ剤を混ぜて、収穫後に果皮の表面に塗布し、果実の内部には浸透しません。指定産地として日本生協連が定めた、使用基準を遵守した生産者のみを選定しています。

さらにコープデリでは、安全性の確保に万全を期すため、組合員さんへ販売するまでに複数段階の検査体制を構築しています。産地での点検をはじめ、仕様書点検、商品点検、商品検査など、コープデリ商品検査センターでは残留農薬や食品添加物の品質検査を行っています。

コープデリ商品検査センターでの品質検査の様子。食品表示義務や使用基準(防カビ剤ごと)に基づき、基準を超えていないか、包材・ラベル表示が正しいかをチェックします

コープデリ商品検査センターでの品質検査の様子。食品表示義務や使用基準(防カビ剤ごと)に基づき、基準を超えていないか、包材・ラベル表示が正しいかをチェックします

コープデリは「使用せずに済む添加物は使わない」を基本方針に掲げています。その上で、安定供給と廃棄ロス削減のバランスを考え、必要な場合には法令に基づき、安全性が確保されたもののみを使用し、年間を通して柑橘類の安定供給に取り組んでいます。

輸入柑橘の取り扱い予定カレンダー

「今も別のバイヤーがオーストラリアやアメリカで新たな産地を探しています。柑橘が店頭に並べられない状況だけは絶対に避けたい。年間を通してリレー形式で柑橘を届け続けるのが私たちの使命です。ぜひ安心して食べてください」と、中村バイヤーは語ります。

安定供給と廃棄ロス削減、そしておいしさと安全性の両立。
そのバランスを大切に、コープデリはこれからも安心して食卓に並べていただける輸入柑橘をお届けしてまいります。

公開2025年7月