ヒトとコトと

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元気に過ごせる環境で育った「産直げん気鶏」知らなかったな、鶏のこと。

健康で元気に育ち、抗生物質や合成抗菌剤などを加えたエサを一度も使わなかった鶏肉だけに与えられる称号「産直げん気鶏」。 病気に負けない環境づくりと生産者の取り組みは、組合員さんの「安心できる鶏肉がほしい」という声から始まりました。

どうして鶏に薬が必要なの?

もともと環境の変化に弱い鶏ですが、鶏舎の管理状況によるストレスによって弱りやすくなる鶏もいます。まだ感染症を予防するための鶏用ワクチンの種類が少なかった時代には、一羽の病気が鶏舎全体に広がることもありました。このような事態を防ぐため、鶏には抗生物質や合成抗菌剤などの薬を加えたエサが与えられています。なお、抗生物質が残留しないように、鶏の出荷前7日間の休薬期間が法律で定められています。

この飼育状況の中で、一般スーパーで薬を使っていないと謳われた鶏肉が見られるようになりました。コープの職員や生産者の中では「薬なしで鶏を育てられるのだろうか」と疑問に思う声が聞かれ、反対に鶏の飼育環境を知る由もない組合員さんからは「薬を使った鶏肉は危ないのでは」と不安の声が聞かれました。この薬を使っていない鶏肉の情報を集めてみると、コストダウンを求めた一部の生産者が薬代を削っているという実態が見えてきました。鶏にストレスがかかる飼育環境はそのままなので、病気になってしまった鶏がいる可能性もありましたが、商品として店頭に並んでしまってからでは消費者には見分けが付きません。

コープでは組合員さんとともに、鶏について勉強会やコープ契約農家の見学会を行い、組合員さんがもとめる鶏肉について声を聞きました。「安全な鶏肉のために薬が必要なことはわかったけれど、それでも薬を使っている鶏肉は不安」という、たくさんの組合員さんの声は、やがて「安心できる鶏肉が食べたい」という願いになっていきました。約20年ほど前、弱っているかもしれない鶏に薬を与えないようなコスト削減のための「無薬」ではなく、元気いっぱいで健康に育つからこそ薬の必要がない鶏の育成環境を開発する「産直げん気鶏」のプロジェクトが始まりました。

プロジェクト開始

約20年ほど前、コープ契約農家である鹿児島県のマルイ農協、青森県のプライフーズ(株)、コープ畜産担当バイヤーが集結し「産直げん気鶏」開発の一歩を踏み出しました。
健康に育てられ薬を使う必要のない「産直げん気鶏」の準備は多岐に渡りました。
薬を使わなければ出荷量が減ってしまうのではないかという生産者に理解を求め、鶏が快適に過ごすための鶏舎の環境づくりや手間をかけられる鶏の飼育数の検証、飼育に関わる人手の用意の他、もし病気で鶏が減ってしまった場合の保障をどうするかなど、様々な問題を解決していきました。
その中のひとつに鶏用ワクチンについての検討がありました。鶏用ワクチンを使用した場合は、完全な「無薬」にはなりません。しかし、「産直げん気鶏」の開発期間中に業界内で鶏用ワクチンの開発が進み、鶏同士の感染症を予防し鶏舎全滅など重大事故を防げることを考え、鶏用ワクチンをひなの段階で一度だけ取り入れることになりました。

多くの生産者の検討とアイデア、努力によって、飼育環境の準備が整った後「本当に薬を使わずに健康に育てられるのか」という出荷への確証を得るため、鶏の休薬期間を伸ばし健康状態を保っていられるかの検証が始まりました。まず法律で定められている7日間より長い10日〜14日間、次に全飼育日数60日間の半分の30日間へと段階的に伸ばしていきました。この折に、業界内で鶏用ワクチンの開発が進んだことで、全飼育期間を抗生物質や合成抗菌剤を使わずに育てることに成功、その後も検証を続け、1997年10月「産直げん気鶏」が登場しました。

ていねいに、ていねいに、育てます。

「産直げん気鶏」は、鹿児島県のマルイ農協グループと青森県のプライフーズ(株)で生産しています。

細やかなケアを受けていても、やはり体調を崩してしまう鶏もいます。その場合は薬を与えて治療を行いますが、薬を使った時点で「産直げん気鶏」の資格がなくなるため、生産者は少しの変化も見逃さないよう注意を払っています。「例えば、鶏は暑いと羽を広げてだるそうに口を開け、空気が悪いと咳払いやクシャミのような音をさせます。そうしたサインをキャッチし、鶏にとって鶏舎内の温度や湿度が快適になるよう調整しています」とマルイ農協の生産者、外秀樹さんは語ります。

一般的には飼料会社から買われるエサも、マルイ農協グループのマルイ飼料(株)で自社生産されています。自家配合、自前製造で、その日の気候や鶏の種類、日齢に合わせた独自の配合でエサを与えることができ、鶏は食事の面からも徹底的に健康を管理されています。
エサは鶏肉にも大きく影響を与えます。例えばエサに使うトウモロコシの色で鶏肉の皮や脂の色が変化したり、酸化が進みニオイのあるエサは鶏肉の風味を落とします。マルイ農協では自前の飼料工場で作り置きせず必要な分だけ製造しているため、鶏は新しいエサを食べて育ち、臭みのない味わいになります。

丁寧な飼育によって、元気に育った「産直げん気鶏」。組合員さんの「安心できる鶏肉が食べたい」という声から生まれ、その味わいには「臭みがなく、おいしい」「やわらかく味がしっかりしている」と、たくさんの声をいただいています。

産直げん気鶏は

  • 「だれが、どこで、どのように育てたか」が明確です。
  • 毎年コープの職員が、飼育状況などを産地と点検・確認しています。
  • 抗生物質と合成抗菌剤をエサに添加せずに育てています。
    ※感染症予防のため、ひなの時期にワクチン接種を行っています。