受け継がれる栽培の知恵と想い、みかん畑で実感しました。

100年前から、ずっとおいしい
3つの太陽が育てる、JAにしうわの「日の丸みかん」

コープデリでは、商品が生産者から組合員さんの手に渡るまで、携わる人々それぞれの想いを交換しながら築く信頼の輪「フードチェーン」を大切にしています。「食べる人(組合員さん)」が「つくる人(生産者さん)」を訪問し、産地の様子を知る産地交流もそんな取り組みの一部です。

2016年10月、産直産地のひとつ、JAにしうわのみかん畑をコープデリ職員と組合員さんとで訪問。生産者さんと一緒に旬を迎えたみかんを収穫しながら、日々のご苦労、みかんづくりへの誇り、そして100年以上前から受け継がれてきた栽培技術や先人の想いを肌で実感してきました。

進化させながら、
守り継ぐみかん栽培の伝統

進化させながら、守り継ぐみかん栽培の伝統

JAにしうわで栽培しているのは「日の丸みかん」。愛媛県八幡浜市で栽培されているみかんです。みかん栽培に適した風土と、明治時代から100年以上の時を超えて受け継がれてきた栽培技術が、今も生産者のみなさんによって、大切に守られています。

愛媛県 八幡浜市 水はけの良い急斜面に造られた段々畑

JAにしうわの「日の丸みかん」は、水はけの良い急斜面に造られた段々畑で育ちます。急斜面を利用するのは、みかん栽培に不可欠な太陽光を存分に取り込むため。宇和海に面した全面南向きのみかん畑には、日の出から日の入りまで太陽光が降り注ぎます。海辺から始まり、山の上まで続く急勾配の段々畑。山の上から見下ろすみかん畑は、足がすくむほどの急斜面に造られています。

みかんを運ぶために急傾斜地用の運搬機を使用

みかんを運ぶために急傾斜地用の運搬機を使用しながら、生産者のみなさんは畑を登ったり下りたり。まさに、重労働です。この段々畑は100年以上前に先人たちが手作業で石垣を積み上げて造ったもの。海を見渡す急勾配のこの場所と、白い石垣こそがJAにしうわの「日の丸みかん」を甘くおいしく育てる知恵でした。

JAにしうわの「日の丸みかん」は3つの太陽が育てると言われています

JAにしうわの「日の丸みかん」は3つの太陽が育てると言われています。3つの太陽とは、①太陽の直射光 ②海からの反射光 ③石垣からの反射光のこと。さらに先代から伝わる3つの太陽に加え、近年は新たな取り組みとして地面に白いシートを敷いて散乱光を当てています。また、白いシートは畑に浸み込む雨水の量を調整する役割も果たしています。

3つの太陽

3つの太陽

①太陽の直射光 
②海からの反射光 
③石垣からの反射光

さまざまな角度からたくさんの光を浴びてJAにしうわで栽培された「日の丸みかん」は、実がやわらかく、甘さも濃厚。ひとつひとつ、手作業で大切に収穫され、組合員さんの元へと届けられています。

コープの産直は、「産地から直送」ではなく、「産地と直結」していることを意味します。生産者と意見を交換したり、組合員さんの声を生産者に届けたりしながら生産することで、日本の食糧自給力向上への貢献を目指した取り組みです。コープデリの「日の丸みかん」も、そんな商品のひとつ。商品の生い立ちがはっきり分かることはもちろん、持続可能な生産と環境への配慮、組合員さんと生産者との交流なども大切にしています。

コープの産直 5つの基本

  • 生産地、生産者、生産・流通方法が明確であること
  • 記録・点検・検査による検証システムがあること
  • 持続可能な生産と、環境に配慮した事業を推進すること
  • 生産地、生産者団体との自立・対等を基礎としたパートナーシップを確立すること
  • 組合員と生産者との多面的な交流を推進すること

産地交流で想いをつなぐ

産地交流で想いをつなぐ

段々畑でみかんが色づく頃、コープデリの組合員さんと職員が、産地交流を行いました。参加者はJAにしうわの「日の丸みかん」の収穫体験に挑戦。3つの太陽が照らすみかん畑は、10月下旬でも汗ばむあたたかさ。大きな重機が入ることのできない急勾配の段々畑、みかんの栽培に関わることは、ほぼすべて手作業で行われます。

参加者のみなさんも、生産者から指導を受けながら、ひとつひとつ手作業でみかんを収穫していきました。

みかんの収穫風景:1

「祖父、父から受け継いだ『日の丸みかん』の栽培は、ここに生まれた者の“宿命”、そして誇りです。手間を惜しまず世話をすると、みかんもそれに応えてくれます。先代が整えてくれた畑を守りながら、おいしい『日の丸みかん』をつくり続けたいですね」。JAにしうわの生産者の一人、本山誠峰さんは、そう語ってくれました。

みかんの収穫風景:2

また、JAにしうわの女性部で「フレッシュレンジ」というグループを結成し、歌って踊りながら「日の丸みかん」をピーアールしています。

JAにしうわの女性部で「フレッシュレンジ」というグループを結成

「この急斜面での収穫作業を年々高齢化が進む生産者のみなさんで行っていると思うと、手にしているみかんひとつの重さが変わってくるようでした」。(組合員さん)

「実際に体験したり、見聞きしたりして、大変な作業をされている人がいるからこそ、私たちに商品が届いているんだということがわかり、感謝していただかなくてはいけないと思いました」(組合員さん)

「安いですよ!甘いですよ!のおすすめではなく、商品の背景にあるストーリーをしっかりお伝えすることが、コープならではの取り組みであり、使命であると思いました」(コープデリ職員)

みかんの収穫風景:3

コープデリがお届けする商品には、生産者のこだわりや苦労、そしてたくさんの願いが詰まっています。地域に根ざした伝統を大切にするJAにしうわの「日の丸みかん」のような商品を、生産者、そして組合員さんと一緒に、守り育てていくことがコープデリの使命であり、願いでもあります。