ヒトとコトと

商品に携わる人と想い、伝えます。

田んぼ本来の力を引き出し環境へも配慮した有機JAS認証・宮城県産コシヒカリ このお米、自然の力がいっぱいに詰まってる。田んぼ本来の力を引き出し環境へも配慮した有機JAS認証・宮城県産コシヒカリ このお米、自然の力がいっぱいに詰まってる。

コープデリでは現在、いろんなお米を取り扱っています。生産者の顔が分かる産直のお米やとぐ手間のかからない無洗米、玄米やもち米などもあり、産地もさまざまです。「有機栽培米 宮城県産コシヒカリ」は、より不安のない、おいしいお米が食べたい組合員さんの「有機栽培米のラインナップを増やしてほしい」という声に応えてコープデリ宅配が取り扱いをはじめた商品。作る人の想いと産地の様子をご紹介します。

田んぼの土を
すべて自らの手で作る。

有機栽培米とは、農林水産省が定める審査をクリアして「有機JAS規格」認証を受けたお米のこと。この認証を受けるためには、畑や水田が本来持っている生産力を引き出し、自然環境への負荷を可能な限り軽減した栽培方法であることが求められます。栽培中に化学合成農薬・化学合成肥料を原則使用しないことはもちろん、植え付けより過去2年以上、禁止されている化学合成農薬や化学合成肥料を使用していない水田で栽培すること、遺伝子組換え由来の種苗は使用しないこと、田んぼや施設、用具などに化学合成農薬や化学合成肥料の飛散・混入がないこと、などの厳しい条件を満たしたお米だけが有機栽培米と表記できるのです。
コープデリではこれまで組合員さんから「有機栽培米のラインナップを増やしてほしい」との声をいただいてきました。「有機栽培米 宮城県産コシヒカリ」はそんな組合員さんの声にお応えしたいとの想いで生産者を探す中、出会ったお米です。
手がけているのは、宮城県遠田郡涌谷町で米の大規模生産に取り組む、黒澤農場。少人数ながら現在12品種の米を生産する専業農家です。

宮城県遠田郡涌谷町にある黒澤農場。現在12品種のお米を栽培しています

米を育てる土台となるのは、田んぼの土です。「素性の分かるものしか使いません」そう話すのは黒澤農場の三代目・黒澤重雄さん。黒澤さんが使うのは、自分で育てた米のもみ殻、わら、米ぬかなどの植物を発酵させた自家製の堆肥です。家畜は何を食べて育ったのか把握しづらいため、動物性の堆肥は使用しません。また、田んぼの土だけでなく、苗を育てる苗床からこの土を使うという徹底ぶり。「化学合成農薬や化学合成肥料を使わないなんて当たり前。うちのおじいさんが米づくりをはじめた頃はそういうものは何もなかったから、今もそのままなだけ」と、さらりと話します。

写真右から 黒澤農場の三代目・黒澤重雄さん、長男の黒澤伸嘉さん。繁忙期以外は従業員2名を加えた4名で生産を行っています

化学合成農薬を使用していない黒澤さんの田んぼは、秋の実りの時期にはあぜに踏み入ったと同時に大量のイナゴが飛びます。また、春先の早朝にはくもの巣に朝つゆが光り、夏にはザリガニが泳ぐなど、四季折々でさまざまな顔を見せます。これは生きものがすめる豊かな環境が守られている証拠。それに加えて、2003年からはカブトエビの生息が確認されています。カブトエビは、3億年前から姿をほとんど変えていない“生きた化石”と呼ばれている生きもの。田んぼの雑草を食べてくれることから“田んぼの草取り虫”とも呼ばれる益虫です。このような生きものも息づくことができるのが、有機栽培を徹底する黒澤さんの田んぼです。

有機栽培の難所・雑草を
どう乗り越えるか

食べる人の健康への安心感や環境に対する影響の軽減など、有機栽培でのお米づくりには優れた面があるものの、難しいのも事実。化学合成農薬を使わないお米づくりの最大の難所は、雑草の問題です。雑草が生えてしまうと、本来稲が吸収するべき水や養分を奪われ、日光は遮られ、風通しが悪くなるなどの影響があります。そしてそれは、病害虫の発生源にもなります。
この問題に化学合成農薬に頼らずに対処するために黒澤さんがやっていることの一つは、12月から3月にかけての寒い季節に土を耕す「寒堀り」。降雪量が少なく冬に田んぼでの作業が可能なこの地域だからできることで、これを行うと、生育期間の長い多年生雑草を寒さによって抑制し、また、毎年新しい種子で発芽する一年生雑草を土壌の乾燥によって抑制できると言われてきました。これはおじいさんから受け継いだ知恵なのだそうです。
そしてさらに、2008年には、地元の機械メーカーと共同でオリジナルの除草機を開発しました。これにより、畝(うね)の間だけでなく、これまで手が行き届かなかった一つひとつの株の間までしっかりと除草ができるようになり、より安定した収穫を上げられるようになりました。今ではこの技術を学びに、多くの生産者が黒澤さんのところを訪れているそうです。黒澤さんの雑草管理の技術が全国の生産者へと広がっているのです。

“米はいただくもの。
お日様と水の恵み”

田植えでは苗と苗の間隔を広くとることで、稲の一本一本に栄養を行き渡らせ、太く丈夫に育つようにします。風通しと日当たりが良くなるので、病気にかかりにくくもなるのです。田植え後1カ月くらい経つと、稲はぐんぐん成長。収穫時期には、たくましく育ちこうべを垂れた稲穂が田んぼを埋め尽くします。実った稲は生命力にあふれており、なかなか倒れることがありません。

堆肥は自家製のものしか使わず、有機栽培で育てた稲は、生命力にあふれています

「たくさんの収穫量を上げようと思わずに、実った分だけ収穫すればいいんです。そう思えば気が楽だし、もしたくさん収穫できたら素直に天に感謝する」と、清々しく語る黒澤さん。聞くと、こんな家訓があるのだそうです。『米はいただくもの。お日様と水の恵み』。
「太陽と水の力が生み出すごはんの味わいを確かめてみてください」。自信たっぷりな笑顔の黒澤さんです。

日本人の誰もが知るお米の代名詞とも言える品種の一つ、コシヒカリ。土の配合から気を使い、心を込めて育てられた「有機栽培米 宮城県産コシヒカリ」には、自然の力が一粒ひと粒にたっぷりと注がれています。噛むほどに広がる豊かなうまみをご堪能ください。