毎日のコップ1杯が酪農家さんを応援することにつながるのね

「飲んで 未来へつなごう
日本の酪農」応援キャンペーン
「飲んで 未来へつなごう 日本の酪農」応援キャンペーン

コープデリでは、食料自給率向上のため日本の生産者・産地を応援する取り組みを行なっています。その取り組みの一環として、牛乳・乳製品の消費拡大を通じて酪農生産者を支援するため、「飲んで 未来へつなごう 日本の酪農応援キャンペーン」を実施。牛乳の消費減少や、輸入飼料や光熱費の高騰など、酪農を取り巻く環境は危機的な状況です。組合員さんにはおなじみのコープ牛乳の生産者を訪ね、牧場の仕事や現状についてお話を伺いました。

牛が快適に過ごせる環境を考えています

「コープ牛乳」の産地のひとつ、長野県信濃町にある「土屋牧場」。黒姫山の麓近くにあり、冬には1m50cmくらいの積雪がありますが、夏は比較的冷涼で過ごしやすい、自然豊かな環境のなかにある牧場です。

妙高山を背にして、西に黒姫山、南に飯綱山・戸隠山が見渡せる風光明媚な黒姫高原にある「土屋牧場」。

妙高山を背にして、西に黒姫山、南に飯綱山・戸隠山が見渡せる風光明媚な黒姫高原にある「土屋牧場」。

「牛の快適性を考えて仕事をしています。食べたい時に餌があって、つねにきれいなお水を飲めて、寝たい時にきれいなベッドが用意してある、という環境づくりに努めています」と話すのは、牧場主の土屋貴志さん。「土屋牧場」の2代目として、現在は親牛や育成牛、和牛などを含め、約120頭の牛を飼っています。

土屋牧場の2代目・土屋貴志さん。野球観戦やスキーが趣味という行動派。

土屋牧場の2代目・土屋貴志さん。野球観戦やスキーが趣味という行動派。

「昭和37年、父の代に牛5頭からスタートし、そこから少しずつ牛舎を増やしていきました。酪農は365日休みもないし、朝早くから夕方までやらなきゃならないし、正直たいへんだなと思っていたので、最初は継ぐ気はありませんでした。一時期、東京で仕事もしていましたが結局、酪農の仕事も嫌いじゃなかったのでこっちに戻りました。それが24歳の時。それから地元の農業大学校で2年間勉強して、本格的に就農しました」と土屋さん。子どもの頃から親の手伝いはしていたものの、真剣に酪農に取り組むために勉強をし直して、技術的なことを学びました。

牛舎の中でのんびりと餌を喰むホルスタインの母牛。フリーストールで飼育しているので牛たちは好きな時に餌を喰み、好きな時に移動して寝て過ごします。

牛舎の中でのんびりと餌を喰むホルスタインの母牛。フリーストールで飼育しているので牛たちは好きな時に餌を喰み、好きな時に移動して寝て過ごします。

現在は息子さん2人と計3人で牧場の仕事をしています。1日の仕事は、早朝4時50分からスタート。搾乳担当と、子牛にミルクや餌をやる子牛担当、母牛への餌やりの担当と3つに分かれ、だいたい8時半頃まで牛舎内での作業が続きます。3時間ほどかけて搾乳するミルクの量は1日約1800kg。この生乳を毎日出荷しています。

搾乳機「ミルカー」の説明をする土屋さん。「搾乳の時間が10分でも遅れるとかなりの牛が“早くしてくれよ”って感じで入口で待ってますよ」。

搾乳機「ミルカー」の説明をする土屋さん。「搾乳の時間が10分でも遅れるとかなりの牛が“早くしてくれよ”って感じで入口で待ってますよ」。

午後からは、畑仕事へ。輸入飼料が高騰していることもあり、土屋さんはその負担を少しでも減らすために、とうもろこしの畑を広げ、餌用のとうもろこしの栽培にも力を入れています。牧草や配合飼料に、自家製とうもろこしを加えて、バランスのいい餌を与えるように心がけています。

飼料用の自家製とうもろこしを刈り取った後の畑。刈り取った後は裁断してロール型に圧縮し、フィルムで包装して貯蔵。発酵させて餌に混ぜ込みます。

飼料用の自家製とうもろこしを刈り取った後の畑。刈り取った後は裁断してロール型に圧縮し、フィルムで包装して貯蔵。発酵させて餌に混ぜ込みます。

酪農は命を繋いでいく仕事です

「乳牛を無事に育ててお産をしてもらい、お母さん牛がお乳を出してくれる時が一番ホッとします。酪農って命を繋いでいく仕事なんです。子牛が産まれて、その子牛を育て、またその子牛が母牛になって子牛を産んで。その命のリレーが酪農という仕事の一番大事なところです。子牛は産まれてすぐに母牛から離してしまうので、その命を責任持って育てる。お母さん牛以上のことをしてあげられるようにと思って取り組んでいます」と土屋さん。

子牛は6カ月まで牛舎で育てた後、山の上にある町営の育成牧場に預けます。夏期は完全放牧で広々とした牧草地でのびのび育ちます。

子牛は6カ月まで牛舎で育てた後、山の上にある町営の育成牧場に預けます。夏期は完全放牧で広々とした牧草地でのびのび育ちます。

当たり前のことですが、牛乳は妊娠・出産後の母牛から搾乳しています。母牛はホルスタイン種で、妊娠・出産を繰り返すことで、乳を出し続けます。
「衛生的でおいしい牛乳を出荷することに一番気を配っています。おいしい牛乳の条件は牛が健康であること、そして乳脂肪分がちゃんとあること。今は、凍結精液で種を選べるので、乳脂肪分がしっかりとある種を代々選んでつけるようにしています」。

おいしい牛乳を届けるためにさまざまな努力をしている土屋さん。それでも輸入飼料の大幅な値上がり、牛乳や乳製品の消費の落ち込みのダブルパンチで、牧場の経営は大変です。
「値上げをさせてもらい少し見通しがたったのですが、輸入飼料や光熱費の高騰などで酪農の現場は危機的な状況です。自家製のとうもろこしを増やしたり、細かい無駄がないか見直したりといろいろ対策してきましたが、大幅にこれだ!というものは見出せていないのが現状です」。

土屋さんと3代目になる息子の土屋航介さん。「跡を継げとは言わなかったけれど、自ら選択してこの仕事に就いてくれた。仕事をしている自分の背中を見ててくれたのかな、と思う」と目を細める土屋さん。もうひとりの息子の慶介さんと共にこれからの土屋牧場を担っていきます。

土屋さんと3代目になる息子の土屋航介さん。「跡を継げとは言わなかったけれど、自ら選択してこの仕事に就いてくれた。仕事をしている自分の背中を見ててくれたのかな、と思う」と目を細める土屋さん。もうひとりの息子の慶介さんと共にこれからの土屋牧場を担っていきます。

「息子たちも頑張っているので、この危機をなんとか乗り切って事業をつないでいきたいと思っています。大変な状況下ではあるけれど、うまくソフトランディングで渡せるようにやっていこうと頑張っています。規模を拡大して大きい負担を背負わせるとかじゃなく、今の状態で乗り切ってから次を考えようかなと思っています」と土屋さん。

土屋さんの息子さんをはじめ、未来の酪農を支えていく若手が確実に育っています。生産者が安心して酪農を続けられる環境を守るためには、生乳を余すことなく有効利用して、廃棄生乳を出さないことが重要。私たち一人ひとりが毎日コップ1杯(200ml)の牛乳を飲むだけで、牛乳余りは大きく改善すると言われています。牛乳を飲むことが酪農家を応援することにつながります。

コープデリのコミュニティサイト「コープ・デリシェ」にて募集した組合員さんから生産者への応援メッセージも土屋さんにお届けしました。
「組合員さんからの応援メッセージは全部読ませてもらいました。とても勇気づけられました。『毎日、毎日、ご苦労様』って言葉が、休みなしでやっている苦労をわかってくれているな、と救われた気分になりました。本当に応援していただいて感謝しかないです。これからもぜひ応援していただいて、おいしい牛乳を一生懸命出荷しますので、一杯でも多く飲んでいただけたらうれしいです」と土屋さん。
コープデリグループは、組合員さんと共にこれからもずっと日本の酪農を応援します。

組合員さんからの応援メッセージ

牛乳はわたしには欠かせないものです。朝早くから一年中休むことなく大変なお仕事で、尊敬限りないです。これからも今以上にたくさん活用したいと思います。頑張れ! 組合員さんの声1
丹精込めて、朝早くから夜遅くまで、365日毎日欠かさずお世話されていることと思います。本当に頭が下がります。牛乳も、ヨーグルトもとてもおいしくいただきました。ありがとうございました。もう値段も上げないと、苦しいですよね。みんなで協力しようではありませんか。頑張れ、酪農! 組合員さんの声2
コープ牛乳を毎週利用しています。うちは牛乳をよく飲むので、宅配で届き、とても助かります。国産だし、おいしいし、安心して飲める牛乳はありがたいです。これからもたくさん牛乳を飲みたいです。 組合員さんの声3
つくる責任、つかう責任

コープデリグループは商品の利用を通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。

「飲んで 未来へつなごう 日本の酪農」
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公開2023年12月