組合員さんの声に応えて
枝豆を国産に
「CO・OP北海道産枝豆を
使ったがんも」
「CO・OP北海道産枝豆を使ったがんも」は、「原材料は国産にしてほしい」という組合員さんの想いに寄り添って、それまで20年以上ロングセラーを続けてきた「CO・OP枝豆がんも」の原材料を見直し、使用する枝豆やニンジン、昆布などを北海道産にこだわった商品です。さらに、もっとおいしくなるよう製造工程にもひと工夫がプラスされています。
精進料理を研究して生まれた
「具だくさんがんも」
コープデリが初めてがんもどきを開発したのは、1991年。当時、がんもどきというと、ニンジンやゴマといったシンプルな具材の組み合わせが一般的でしたが、さらなるおいしさを追求するため、開発チームは京都の精進料理などを研究。さまざまな具材を検討した結果、京料理にもよく登場する「ぎんなん」のもっちりとした歯ごたえが、がんもどきによく合うことから、ぎんなん入りのがんもどきが登場しました。その翌年には、子どもから大人まで幅広い世代に好まれるようにと、枝豆を使った「CO・OP枝豆がんも」が仲間入り。食感や彩りのよさに加え、冷凍保存で使いたい時に使えるという便利さも手伝って、開発から20年以上、組合員さんに支持され続けています。
しかしその間、組合員さんから「原材料が国産だといいな」という声も寄せられていました。家族の食事を考える組合員さんにとって、食材の産地は気になるところ。原料の枝豆は外国産を使用していましたが、国産枝豆での商品作りにも取り組むことになりました。
原材料にもコープ商品を
そのまま使用
「CO・OP北海道産枝豆を使ったがんも」の開発は、新しい挑戦でもありました。それは、「コープ商品を原材料にした商品が作れないか」というチャレンジ。コープデリは、生産者と一体になって商品開発したり、生産から加工・流通・販売を経て食卓に上るまでの流れを把握し「見える化」することを大切にしていたり、厳しい条件をクリアした商品をラインナップしています。そんなコープ商品を原材料としても生かせるはずです。そこで、「CO・OP枝豆がんも」の枝豆を既存商品の「CO・OP北海道のそのまま枝豆」に変更する案が出ました。
「CO・OP北海道のそのまま枝豆」の原材料は、豊かな自然に恵まれた北海道十勝産の枝豆。旬を迎える夏に収穫し、鮮度が落ちないうちに地元の工場で加工して凍結保存しています。夏でも昼夜の寒暖差が大きい北海道十勝地方で育った枝豆は、甘さをたっぷりと蓄え、粒もふっくら大きめ。満足感のある食べごたえが好評の商品です。さらに、彩りを添えるニンジンやきざみ昆布も北海道産に変更。主役の枝豆だけでなく、脇役にも北海道産を取り入れました。
豆乳を加えることで、
ふっくら甘く、
さらにおいしくなりました
コープデリと一緒に商品開発を行ったのは、製造を手がける不二製油株式会社(以下、不二製油)です。開発の鑄方綾香さんにお話しを伺いました。
「枝豆をはじめニンジンや昆布を北海道産に切り替えると同時に、味そのものをもっとおいしくしようということになりました。口あたりをよりなめらかにするために、生地になる大豆たんぱくに国産豆乳を加えたんです。そうすることで、さらにふっくらした食感になり、甘みも強くなりました」。もともと、揚げ工程の温度と時間を調整し、ふっくらとしたがんもを生産していた不二製油。生地に豆乳を混ぜることで、きめ細やかでふんわりとした食感がさらにアップ。煮物にしたときの味染みがさらによくなりました。
商品の開発に要した時間は半年間。もっとも苦労したのは、枝豆の食感を残すことだったと鑄方さん。「本商品には、枝豆を20%も配合しています。北海道産の枝豆は粒が大きくてやわらかいのが特長。甘みが強くて非常においしい枝豆です。そのおいしさをがんもでも味わって欲しいので、食感を大切にするため、粒をそのままの形で残したいと思いました。普通に生地と混ぜ合わせると粒が砕けてしまうため、枝豆は最後に投入してゆっくりやさしく混ぜるよう細心の注意を払っています」。
こうして誕生した「CO・OP北海道産枝豆を使ったがんも」。不二製油では、製油会社の知恵と技術を生かして、揚げ油が劣化しないよう管理を徹底。家庭で料理する前に油抜きが要らない手軽さを実現しました。
「なめらかな口あたりと、北海道産枝豆の甘みが楽しめるがんもに仕上がっています。煮物はもちろんですが、電子レンジで温めたり、解凍してからフライパンで焼いてぽん酢をかけるだけでもおいしく食べられるがんもです」と鑄方さんは自信を持っておすすめします。