「産直」じゃがいもの
風味を生かした
コロッケ
油で揚げずとも、まるで揚げたてのようなコロッケが手軽に食べられるということで好評を得ている「CO・OP産直北海道産男爵で作ったレンジコロッケ」。
「冷凍食品だからこそ、原料の産地が気になる」という組合員さんの声にお応えしたいと、コロッケに使用するじゃがいもをコープの産直産地である北海道「JAきたみらい」産の男爵いもに限定。じゃがいもの風味を生かすために着色料を除き、シンプルな味付けや食感にもこだわりました。また、玉ねぎも産直品を使用しています。
産直産地の男爵いもを限定使用
製造メーカーであるサンマルコ食品株式会社(以下、サンマルコ食品)では、かねてからコープの産直産地として認定されていた北海道「JAきたみらい」からじゃがいもを購入していたという経緯がありました。そこで、コープデリの開発担当者が、使用するじゃがいもをJAきたみらい産に指定することで、2017年3月から「コープの産直」シリーズの商品になりました。
生産者や生産・流通方法が明確であることや、厳しい基準をクリアしてコープの産直団体として認定されたJAきたみらいのじゃがいもを使用することで、組合員さんにとって親しみのある商品となるよう目指しました。
コープの「産直」とは
コープの「産直」とは、食の安全・安心の取り組みの一つです。商品の「おいしさ」、環境への「やさしさ」、そして生産者と組合員の「つながり」を大切に、生産から流通までの過程を明らかにしています。コープデリでは、これらの産直食材を原料とした商品「コープの産直」シリーズの開発や取り扱いも進めています。
JAきたみらいの男爵いも
JAきたみらいは、北海道のオホーツク管内常呂ブロックに属する8つのJA(JA温根湯・JA留辺蘂・JA置戸・JA訓子府・JA相内・JA上常呂・JA北見市・JA端野)が2003年2月1日に合併して誕生した農業協同組合です。「きたみらい」とは、常呂ブロックの基盤となっている北見盆地の輝かしい未来を願い、「北見(きたみ)」と「未来(みらい)」をあわせて名づけられました。
西は大雪山国立公園旭岳、南は阿寒国立公園雄阿寒岳に囲まれた北見盆地の中にあって、大雪山系を源とする常呂川が横断する肥沃な大地で、北海道における農畜産物の主要産地となっています。
肥沃な大地で育てられるJAきたみらいの男爵いもは、長い日照時間と昼夜の寒暖差が大きい気象条件ででんぷんの多いホクホクした食感になります。果肉の色が白色、でんぷん価が高いことから、コロッケに向いています。
ただ、栽培が難しいという一面もある、とJAきたみらいの溝井好幸さんは話します。「ここ最近、品種化されたじゃがいもは、抵抗性品種と言って病害にかかりにくいのですが、男爵いもは昔からある品種なだけに、病害に対する抵抗性が低いんです。そのため、圃場管理を徹底して、病気にならないように細心の注意をはらって栽培しています。また、春先の土づくりや植え付け作業が失敗すると、秋の収穫まで影響してしまうので、注意が必要です。湿気が多すぎると、土の中に固まりができてしまって秋まで苦労することになるので、気候や地温を確かめながら植え付けしています。生産者の努力があって、おいしい男爵いもをお届けすることができているんです」。
コープの産直商品の基準に『残留農薬等の検査を行うこと』という項目があります。JAきたみらいのじゃがいもは、地域内の4選果場において、生産者がそれぞれ品質向上を目的として、サンプル抽出・検査、残留農薬の自主検査を実施しています。2009年に導入した「近赤外線センサー」では、じゃがいも内部の空洞や腐れを確認。常に良質なじゃがいもを出荷する努力をしている産直産地として、コープとしっかりとした信頼関係を築いています。
JAきたみらい 馬鈴薯選別施設
農家からコンテナで運ばれてきたじゃがいもは、熟練の作業員によって形の悪いものや傷が付いたものなどが取り除かれていきます。
じゃがいもの大きさを判別するカメラに通され、自動的に規格に合った選別ラインへと流れます。
近赤外線センサーで、じゃがいも内部に空洞や腐れがないかを確認します。
もう一度作業員の目視によって、最終的にチェックされます。
コープさんとは、訓子府産のじゃがいもと玉ねぎを通してずっとお付き合いがありましたが、今回、コロッケという形で『産直』の取り組みをしていただけたのは、産地としてとてもうれしいことです。JAきたみらいの名前を出してもらうというのは、生産者が一番喜ぶと思います。自分たちが作った男爵いもが、最終的においしいコロッケになって組合員さんの食卓に届けられているということがわかることで、これからもいいものをしっかり作ろうという励みになるはず。我々もこの商品を通して、JAきたみらいの名前が組合員さんにもっと認知してもらえるようにPRできれば、と思っています。
JAきたみらい 坂下文仁さん
味付けがシンプルだから、
じゃがいもの風味が伝わる
「CO・OP産直北海道産男爵で作ったレンジコロッケ」を加工・製造しているのは、サンマルコ食品です。冷凍食品の製造メーカーとして、北海道内に4つの工場を構え、原料の調達から加工、冷凍、包装まで一貫生産しています。「CO・OP産直北海道産男爵で作ったレンジコロッケ」は、JAきたみらいからほど近い網走郡津別町にある津別工場で製造。生産者が丹精込めて育てた男爵いもをコロッケに加工しています。
「産直にこだわった商品をつくりましょう、ということで、産直男爵いもの風味を最大限に生かすこと、シンプルな味付けにすること、衣の食感を軽くすることなどを決め、開発に取り組みました」と話すのは、サンマルコ食品の大谷秀一さん。約半年間かけて何度も試作を繰り返しました。1回のサンプルを出すまでに配合調整を繰り返し、20回ほどの試作を経て、納得のいくコロッケができたと、当時を振り返ります。
一番の命題は、産直じゃがいもの風味を生かすこと。男爵いもは、皮付きのまま蒸し、その後つぶしながら皮を取り除くことで、風味とホクホクとした食感を残しています。「先に皮をむいてゆでてしまうと、でんぷんや栄養分が流出してしまいます。あえて、皮付きで蒸すことで風味を逃がさないようにしています」と話すのは、サンマルコ食品津別工場の開発・製造チームのみなさん。蒸したじゃがいもは、パンチングプレートと呼ばれる穴付きの機械に押し当てて、皮と実の部分を分離させます。「その時、どうしても皮の部分が少し残ってしまいますが、じゃがいものうまみや栄養分は、皮に近い部分に多いので、皮の部分が少し残ったほうが風味がよくなるんです」と、じゃがいもの風味を最大限に生かすための製法について説明します。
また、じゃがいもの自然な風味と甘みが生きるように、砂糖、しょうゆ、塩・こしょうでシンプルな味付けにもこだわりました。「シンプルな調味料をベースにして、それでは足りない部分をじゃがいもと相性がいい牛肉と牛脂を使って補いました。ただ、加えすぎるとじゃがいもの風味が損なわれてしまうので、配合の比率には非常に気を使いました」。じゃがいもそのもののおいしさを大事にしたいという想いから、コクを出すための牛肉と牛脂は、あくまでも隠し味程度にプラス。産直じゃがいものおいしさが味わえるコロッケに仕上げました。
レンジ調理なのに、
衣がサクサクッ
「コロッケは食べたいけれど、油で揚げるのは面倒」というときに、電子レンジで加熱するだけで、衣がサクサクのコロッケが楽しめる「CO・OP産直北海道産男爵で作ったレンジコロッケ」。レンジ調理だと、「コロッケの魅力のひとつである衣がベチャッとしてしまうのでは」というイメージを覆すべく、衣のサクサク感にこだわりました。調理後に水分が外に出てべったりとなりにくいよう、衣の下地の配合を工夫したことで、サックリとした仕上がりを実現しました。
レンジ加熱後、レンジから取り出して3分程度おくと、さらに衣がサクッとします。小ぶりの8個入りで、1個約55gと、小腹が空いた時のおやつがわりに、おかずに、お弁当やカレーなどのトッピングにも使いやすいサイズ。時短・簡単・便利な商品として、コープの「産直」への取り組みが生んだ、こだわりのコロッケをお楽しみください。