組合員さんに大人気
のロングセラー
コープデリ限定の「香
港ギョーザ」
30年以上も組合員さんに愛され続けているロングセラー商品で、2019年5月からは、コープデリ限定商品となった「香港ギョーザ」。「この餃子がほしいから組合員を続けています」という熱烈なファンも多く、組合員さんに支持されている理由は、やはり「おいしさ」と「安全・安心」への取り組みです。
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目指したのは「家庭の手作り餃子」
でも、家庭では真似のできないこだわりが詰まっています
「香港ギョーザ」を製造しているのは、埼玉県さいたま市にある株式会社ヨコミゾ(以下、ヨコミゾ)です。昭和36年に創業して以来、半世紀以上にわたって餃子とシュウマイを作り続けてきました。生協向け商品のほか、学校給食用や業務用商品を製造しています。「弊社では、『安全』『安心』『家庭の味』をお届けすることをモットーに、年間100種類くらいの餃子・シュウマイを開発し、その中から合格したものが商品化されています」と話すのは、工場長の小澤正光さん。
さまざまな商品を開発してきたヨコミゾの看板商品のひとつが「香港ギョーザ」です。
東京都内で数々の有名飲茶レストランを手がけてきた陳水興(ちんすいこう)という中国広東料理人直伝のレシピを参考にしたので「香港ギョーザ」と名付けられましたが、皮も具材もとことん国産原料にこだわり、日本人の味覚に合うよう具材の配合や味付けを変え、家庭の餃子に近い味を目指して作られました。
「餃子というのは、皮も具材も手作りするとかなり手間がかかる料理だと思うので、それを手軽に召し上がってもらえるようにという想いで開発した商品です。ひとくち食べて満足してしまう餃子よりも、もう一つ、もう一つと、箸がとまらなくなるような餃子を目指しました」と小澤さん。主原料はすべて国産のものを使い、保存料・着色料などは使用せずに、飽きのこないシンプルな味付けにしています。そのこだわりは、原材料の産地、具材や調味料の配合、ミキシング時間の微妙な調整、皮用のオリジナル小麦の開発など多岐に渡っています。「安全・安心」を大前提に、シンプルな原材料であくまでも「家庭の餃子」を目指して作られた「香港ギョーザ」ですが、そこには、家庭では絶対に真似することのできない多くのこだわりが詰まっています。
素材を大切に、鮮度を大切に、
職人技が生きる餃子作り
「香港ギョーザ」の主原料である野菜、豚肉はすべて国産を使用し、鮮度を大切にしています。ブロック状の豚肉はその日の製造に応じて使う分だけひき肉にしています。「ブロックで仕入れてその日使う分だけミンチにするのは、ドリップが出るのを防ぎ、うまみを逃さないためです」と小澤さん。希少な頭肉に豚脂などを混ぜることで赤身と脂身のバランスがいいミンチに仕上げています。
野菜ももちろん鮮度を大切に、その日に使う分だけをカット。にんにくは青森県産の「福地ホワイト六片」を使用し、キャベツ、ニラ、玉ねぎ、しょうがもすべて国産にこだわりました。「野菜のカットについては、食感のことを1番に考えています。たとえばキャベツは約3.2ミリ。初めて食べた人は、必ず野菜のシャキシャキとした食感に驚かれます」と小澤さん。
カットした肉、野菜は、調味料などと混ぜ合わせるミキシングへ。この作業を任されているスタッフは現在2名だけ。「ミキシング機に入れていく順番は、餃子の味わいを左右するのでとても大切です。調味料、にんにく・しょうが、肉、野菜(玉ねぎ、キャベツ、ニラ)の順で入れていきます。投入するタイミングや、あんの硬さを見ながらミキシング時間を調整するなど、とてもデリケートな作業で、熟練のスタッフにしかできない工程です」。
そんなに大きくないミキシング機に、驚くほどの量の野菜が投入されていく様子は圧巻。最後に練り上がったあんの状態を熟練スタッフが感触で確かめ、具材(あん)の仕込みが完了します。
そしてもうひとつ「香港ギョーザ」の肝ともいえるのが皮作り。皮に使用している小麦粉は、北海道産小麦の「きたほなみ」と「春よ恋」という2つの品種をブレンドしたオリジナルの小麦粉「内麦ヨコミゾ」です。何度も試作を繰り返して、餃子の皮に最適な配合の割合を決めました。小麦粉と水と塩のみで作られる皮は「香港ギョーザ」のおいしさ、そして食感の決め手です。この皮作りを一手に担っているのが、他のスタッフが敬意を表して「レジェンド」と呼んでいる麺帯担当の村田政夫さんです。
皮作り40年以上というベテラン社員の村田さんは、季節や室温などによって加水の量を瞬時に判断します。
「夏と冬だと、冬の方がちょっと水を多めにしないと。温度が高い方が固まりやすいから夏は少なめに。朝と午後でも違います。ちょっと団子になっていて、触るとボロボロとした感じが一番いい。感覚で調整するしかありません」と村田さん。現在、この職人技を若手スタッフ2名に継承しているところです。
練り上げられた粉は、麺ローラーで徐々に伸ばされ、最終的に約0.7ミリの薄さのロールになります。「段階を踏んでゆっくりと伸ばすことによって、小麦粉のグルテンを引き出しています。さらにロールごとにビニールシートで覆い、熟成させるために30分程寝かせます。ここでもグルテンが引き出されることで、この餃子の大きな特徴であるモチモチとした食感の皮ができ上がります」と小澤さん。
この後、成型機に餃子の具材(あん)と皮をセットし、成型された餃子がトレーにのっていきます。形の崩れたものなどは目視で丁寧にチェックして取り除かれ、蒸す、冷やす、冷凍の自動ラインの工程に流れていきます。どの作業も無駄がなくスムーズで、工場で製造に従事しているスタッフの皆さんがそれぞれのポジションで、責任とプライドを持って仕事をしているのが伝わってくる現場です。
凍結された餃子は自動計量機で計量され、袋詰めへ。袋には製造日と賞味期限が印字されます。袋の印刷には、地球環境にやさしい植物由来の「ボタニカルインク」を使用。袋の材質もCO2削減に配慮した再生PET樹脂を袋の材質の一部に使うなど、環境にも配慮しています。また、実験的にステルスインク(塗った時点では見えず、特定の処理を施すことによって可視化できるインク)も採用していて、組合員さんからお申し出があったときには、製造状況の詳細まで追えるように「安全・安心」への取り組みも徹底。ヨコミゾの工場では、伝統の職人技を大切に継承している一方で、新しい技術も積極的に取り入れているのです。
具材はジューシー、皮はもっちり
焼く・煮る・揚げる、いろいろな食べ方が楽しめます
国産原料と鮮度にこだわった具材のジューシー感、北海道産のオリジナルブレンド小麦で作り上げた皮のもっちり感、そしてシンプルな味付けで、次から次へと思わず箸がのびる「香港ギョーザ」。定番の「焼き餃子」のほか、鍋などに入れて「煮る」、油で「揚げる」など、さまざまな調理法でおいしくお召し上がりいただけます。「焼く時に油も水もいらないタイプではありませんが、包材に書いてある通りにしていただけると、誰でも簡単に失敗なく焼くことができます。なので、この餃子を焼くのはお父さんの仕事というご家庭も多いと聞きます。ぜひ、お父さんに焼いてもらって家族みんなで食べてもらいたいです」と小澤さん。また、鍋などに入れて煮ても、皮がしっかりしているのでつるんとした独特の食感が加わり、「焼き」とはまた違ったおいしさ。さらに、揚げ餃子にもおすすめしているのは、実は具材(あん)を包む時に皮の両端の部分をほんの少しだけ開けているので、揚げても破裂することなくカラッと揚がるから。冷凍庫にストックしておけば、その日の気分でさまざまな調理法でお楽しみいただけます。
コープデリのイベントなどでも組合員さんに大人気の「香港ギョーザ」。「工場にいるとなかなかお客さんの声を直接聞くことができないので、イベントで“冷凍庫にいつも入っています”とか“家族みんな大好きです”と声をかけていただくと本当に励みになります。その声を商品作りに生かして、これからも安全・安心なものをお届けしたいと思います」とヨコミゾのみなさん。コープデリはこれからも、誠実にもの作りに取り組むメーカーさん、そしてそれをご利用してくださる組合員さんをつなぐ役割をしっかり担っていきたいと思います。