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えび養殖のために伐採されたマングローブの森を再生させる取り組み 将来もずっとえびを食べたいから未来につながる活動、応援したいな。えび養殖のために伐採されたマングローブの森を再生させる取り組み 将来もずっとえびを食べたいから未来につながる活動、応援したいな。

天ぷらやフライなど日常的にも食べる機会が多く、おせち料理やお祝い事の料理にも必ずと言っていいほど使われている「えび」は、日本の食文化に欠かせない食材です。コープデリの「殻付きブラックタイガー(2L)」の産地・インドネシアでは、日本向けに輸出するえびの養殖が盛んで、重要な産業となっている一方で、養殖池をつくることによる環境破壊が問題になっています。コープデリでは、未来の水産資源を考えながらえびの調達をするなかで、ブラックタイガーを国内加工している丸千水産株式会社の取り組みに賛同。丸千水産や現地の生産者、WWF(世界自然保護資金)インドネシア、タラカン市が一丸となって取り組んでいる「マングローブ植樹活動」の支援をしています。

限りなく自然に近い形で養殖しています。

コープデリの「殻付きブラックタイガー(2L)」の産地は、インドネシア共和国北カリマンタン州のタラカン島です。カリマンタン島に隣接した小さな島で、インドネシアの中でもブラックタイガーの一大産地となっています。

ブラックタイガーの養殖が盛んになった1980年代初頭。当時インドネシアでは「集約養殖(しゅうやくようしょく)」と呼ばれる養殖方法が一般的でした。整地された狭い池でたくさんのえびを飼い、人工飼料によって短期間に大量生産するこの方法。過密なえびの養殖は生産性が高い反面、人工飼料による水や土壌の汚染、病気の発生を抑制するために大量の薬を投与するなど、さまざまな環境問題を引き起こしていました。インドネシアでは、この状況を解決するために、環境への負担が少ない養殖方法として注目され始めていた「粗放養殖(そほうようしょく)」をいち早く取り入れるようになります。

一部樹木を残し自然の生態系が育まれるよう配慮した広大な粗放養殖(そほうようしょく)池

「粗放養殖」は、限りなく自然に近い状態でえびを育てる養殖方法です。養殖池は、地域の自然環境を生かして作られます。タラカン島の養殖池は、淡水と海水の混じった汽水域につくられています。池の水は、潮の干満を利用して入れ替えられ、自生する生物(プランクトンや貝など)がえびのエサとなります。満潮になると海水が水門を通って、養殖地に流れ込みます。その際、海中の天然えびや魚なども池に流入し、養殖池の中では自然の生態系ができあがります。そこに稚えびを放流し、人工飼料や薬品を一切投入することなく、約3カ月えびを育てます。密度をおさえて自然に近い環境で養殖されるため、ストレスがない健康的なえびが育ちます。えびの収穫は干潮時。水門を開き、水流とともに水門に流れてきたえびを網を張って収穫します。このように自然環境を巧みに利用し、人工飼料も使わず、電気エネルギーも必要としない環境負荷の少ない養殖方法が「粗放養殖」です。しかし一方では、「集約養殖」と同じように養殖池をつくるための森林の伐採や、使えなくなった池の放置が問題になっているのも事実。そこで、伐採された森の回復を目指して、2006年より現地の水産業者や輸入商社などを中心に、マングローブを植樹する取り組みが始められました。

豊かな生態系を育むマングローブの森を
再生させる取り組み。

「殻付きブラックタイガー(2L)」を国内加工しているのは、愛知県にある丸千水産株式会社(以下、丸千水産)です。「組合員さんからお声をいただいたことがきっかけで、マングローブの植樹活動を始めました」と話すのは、丸千水産の代表取締役・千賀昭政さん。「組合員さんに、自然の環境の中で育まれたえびですとお話ししても、実際には養殖池を造る際に森林を伐採している。それはやはり自然破壊につながっているのでは、というお声をいただくことがありました。最初は、えびの養殖は現地ではとても重要な産業になっている側面もあるということをお話ししてご理解をいただいていましたが、わたし自身もより持続可能な養殖を考える中で何かできないだろうかと模索していました」。

丸千水産 代表取締役 千賀昭政さん

そんなタイミングで耳にしたのが、現地でのマングローブ植樹活動のことでした。えびの養殖を手がける現地企業MMA社とえびの輸入会社が、WWFインドネシアの助言のもと、タラカン市と協力して2006年からスタートしたマングローブの植樹活動の話を聞き、丸千水産も2007年から参加することを決めました。「役目を終えて放置されている休眠池に苗木を植えてマングローブの森を再生させるという趣旨に賛同しました」と千賀さん。マングローブは、熱帯・亜熱帯の海岸線や河口などの汽水域に繁殖する植物の総称。二酸化炭素を多く吸収し、酸素を供給するマングローブは「緑の肺」とも呼ばれ、複雑に伸びる根は小魚など多くの生き物のすみかとなっています。荒廃した土地を緑豊かなマングローブの森へと再生する取り組みは、持続可能なえび養殖を考える上でとても大切な取り組みです。千賀さん自身も2007年から毎年、現地での植樹に参加しています。「マングローブはとても生育が早く、すくすく育つんです。毎年、過去に植樹した地域を通って植樹する場所に向かうんですが、自分たちが植えたマングローブが大きく成長しているのを見るとものすごくやりがいを感じます」。

コープデリでは、2018年からこの取り組みに賛同。組合員さんが「殻付きブラックタイガー(2L)」を購入すると、1パックにつき1円が「北カリマンタン マングローブ基金」に寄付されます。寄付金はマングローブの苗の購入や環境保全活動などに活用されます。

鮮度を大切に、産地1回凍結でお届けします。

1尾ずつ検品しながら、マイナス40℃の凍結機でバラ凍結しています。この後、冷凍焼けや傷つき防止対策のため、冷水に数秒浸し氷の膜で覆います。

えびフライや天ぷら、ブイヤベースや中華風の炒め物など、和・洋・中問わず、さまざまな料理に使われるブラックタイガー。インドネシア・タラカン島の豊かな自然に育まれた「殻付きブラックタイガー(2L)」は、プリプリとして歯ごたえのあるしっかりとした食感が特長です。水揚げ後は、現地の工場に運び、鮮度の良いうちに加工・急速冷凍し、1尾ずつバラ凍結。産地1回凍結で、えび本来のうまみを逃さぬよう1度も解凍することなくご家庭までお届けしています。
「自然に配慮して養殖したブラックタイガーです。日本とインドネシアは距離こそ離れていますが、産直という意識で鮮度のいい状態でお届けしています。マングローブを植樹することで、タラカン島でいつまでもえびの養殖が続けられるようにと願いながら活動を続けています」と千賀さんは話します。