みんな一緒に同じものを食べられるって、幸せね。

アレルギー物質特定原材料
7品目、
すべて不使用の
「みんなの食卓®」シリーズ
みんなの食卓®シリーズ

コープデリでは、食物アレルギーを持つ方がいるご家庭を応援する「食物 アレルギー配慮食品」のラインナップを充実させています。日本ハム株式会社の「みんなの食卓®」シリーズもそのひとつ。食物アレルギーの人も、そうでない人も、誰もが安心して食事を楽しめるように、いち早くアレルギーケアに着目した「みんなの食卓®」の取り組みをご紹介します。

1本の電話がきっかけで、
食物アレルギー配慮商品の開発がスタート

1本の電話がきっかけで、食物アレルギー配慮商品の開発がスタート

ある特定の食べ物に対して、湿疹など身体が過剰な反応を起こしてしまう食物アレルギー。特に子どもの食物アレルギーの場合、家族や周囲の人は、どんな食品が使われているのか、食事のたびに気を使う必要があります。毎日、家族のために食物アレルギーに配慮した食事作りをする苦労は計り知れません。そこで求められるのは、アレルゲンを使用しないアレルギー配慮商品の充実です。

「みんなの食卓®」シリーズを販売する日本ハム株式会社(以下、日本ハム)が食物アレルギー配慮商品の開発をスタートさせたのは、1996年。きっかけはお客様相談室にかかってきた「食物アレルギーを持っている子どもが、安心して食べられるハムやウインナーを開発してもらえませんか?」という1本の電話でした。子どもが好んで食べるハムやウインナーなどの食肉加工食品の原材料の一部には、小麦や卵、乳などが使用されることが多く、ごく微量であっても、食物アレルギーを持つ子どもは食べることができなかったのです。今よりも食物アレルギーに対する認知はかなり低かった時代。食物アレルギーを持つ子どもの親からの切実なニーズを受けて、日本ハムは食物アレルギー配慮食品の研究をスタートさせました。

1997年に「みんなの食卓®」シリーズの前身ともいえる「アピライト」シリーズを発売。2002年には食物アレルゲン検出キットを自社開発し、2004年当時は5品目(卵・乳・小麦・そば・落花生)、2008年には7品目(卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに)を使用しない「みんなの食卓®」シリーズを発売しました。

アレルギー物質特定原材料7品目

アレルギー物質を工場内に
持ち込まないこと

食物アレルゲンを工場内に持ち込まないため、原材料もロットごとに徹底的に検査しています

食物アレルゲンを工場内に持ち込まないため、原材料もロットごとに徹底的に検査しています

「みんなの食卓®」シリーズを製造しているのは、山形県酒田市にある日本ハムグループの東北日本ハム株式会社(以下、東北日本ハム)山形工場。2007年、敷地内に食物アレルギー対応の専用工場を設立し、2015年には全工場棟アレルギー対応による生産体制を整えました。「特定原材料7品目に加えて、表示を推奨される20品目(特定原材料に準ずるもの)のうち、この工場内で使用しているアレルゲンは『豚肉』のみです。工場内にアレルゲンを持ち込まないことを徹底しています」と話すのは、東北日本ハムの澤田潔志さん。

東北日本ハム株式会社 澤田潔志さん(2018年取材当時)

東北日本ハム株式会社 澤田潔志さん(2018年取材当時)

搬入される原材料はロットごとに検査キットを使って食物アレルゲンが検出されないことをしっかりと確認。検査結果が出るまでは別区画で管理し、安全確認後に使用・出荷するなど、アレルギー物質を含む原材料の混入(コンタミネーション)が起こらないよう万全を期しています。また、従業員も工場に入る際は、全身の付着物除去のためのエアシャワーを浴びるなど一連のフローを経なければ工場へ入ることはできません。社員食堂や弁当として持ち込む食材にも気を配り、昼食後には歯磨きを義務付けるなど、コンタミネーション防止に細心の注意をはらっています。

(左)工場内にアレルゲンを持ち込まないよう昼食後の歯磨きが義務付けられています (右)日本ハムグループ内で独自開発した食品中の食物アレルゲンを検出するキット

(左)工場内にアレルゲンを持ち込まないよう昼食後の歯磨きが義務付けられています
(右)日本ハムグループ内で独自開発した食品中の食物アレルゲンを検出するキット

こちらの工場では、ハム、ウインナー、ベーコンやハンバーグ、ミートボールなどの食肉加工品のほか、ちょっと意外かもしれませんが、米粉のパンも製造しています。これは、「ハムやソーセージと一緒に食べられるアレルギー対応のパンがほしい」という声に応えて開発されたもの。ハム・ソーセージといった「おかず」に加え、主食となる商品を展開することで、食物アレルギーの方をサポートしたい、という想いから誕生しました。

小麦も小麦グルテンも一切使わずにつくった米粉パンは、地元・酒田市で生産されたお米「はえぬき」を使用して、米粉100%でつくられています。「時期によって、米に含まれる水分量などが微妙に違うので、焼き上がりがふっくらするように毎回調整を行っています」と、澤田さん。焼き上がった米粉パンは、焦げや焼きムラ、割れなどがないか、ひとつひとつ人の目でチェックして品質を管理しています。米粉パンならではのふわふわもちもちとした食感、ほのかに香ばしさを感じる風味は、アレルギーのない人にも「おいしい」と評判です。

(左)ふっくらした焼き上がりになるように生地の様子をみながら調整します (右)焼き上がった米粉パンは焼きムラなどがないか人の目でしっかりチェックしています

(左)ふっくらした焼き上がりになるように生地の様子をみながら調整します
(右)焼き上がった米粉パンは焼きムラなどがないか人の目でしっかりチェックしています

おいしさを大切に、
バリエーションを増やしていきたい

一般的に食物アレルギー配慮商品は、食物アレルギーに配慮することで、「おいしさ」は後回しにされがちですが、「みんなの食卓®」シリーズは、「食物アレルギーがある方もない方も安心しておいしく食べられる」を大切にしています。「食物アレルギーの人も、そのご家族も、みんなで同じメニューを楽しんでほしいので、安全であることはもちろんですが、おいしさも徹底的に追及しています」と語るのは、当時商品の開発に携わった松本南美さん。自らも子どもの頃から重度の食物アレルギーを持っていたことから、同じように苦労している人の役に立ちたい、という強い希望で入社したという経歴の持ち主。「食物アレルギーがあってもみんなと同じように食べる喜びを感じていただけるように、食物アレルギー対応商品のバリエーションを増やしていきたいと思っています。個人的には、スイーツ分野に力を入れたいです。お菓子系、ケーキ系、ドーナッツ系など、私としては子どもの頃から手軽に食べられるようなものがあったらな、という想いが強かったので、アレルギーの子どもたちが笑顔になってくれるような商品を開発したいです」と語ります。

自らも子どもの頃から食物アレルギーを持っているため、その経験を商品開発に生かしているという東北日本ハム株式会社 松本南美さん

自らも子どもの頃から食物アレルギーを持っているため、その経験を商品開発に生かしているという東北日本ハム株式会社 松本南美さん

食べることは人とつながるひとつのコミュニケーション手段であり、子どもにとって食事のバリエーションを増やすことは身体の成長にもつながります。「必要とされている方にはもちろん、アレルギーがない人にもこの取り組みと商品の良さを知っていただき、家族やお友達みんなで食事を楽しんでいただきたいです」という松本さん。アレルゲンを使用しないことはもちろん、味にもこだわって開発されている「みんなの食卓®」シリーズは、毎日の食卓に安心と同時に、おいしさもお届けしています。コープデリでは、これからも食物アレルギー配慮食品のラインナップの充実を図るとともに、明確なアレルゲン表示やアレルゲン登録などで食物アレルギーを持つ方がいるご家庭の日々の食事作りを応援します。

シリーズ商品 一例