ヒトとコトと

商品に携わる人と想い、伝えます。

焼おにぎりに合うしょうゆでお米のおいしさを引き出しました。うわっ、お米がふっくら。焼おにぎりに合うしょうゆでお米のおいしさを引き出しました。うわっ、お米がふっくら。

「小腹が空いた時にストックしてあると便利」と好評の「CO・OP新潟佐渡コシヒカリの焼おにぎり」がこのたび、リニューアルしました。お米はもちろんこれまで通り「佐渡トキ応援お米プロジェクト」を通じて交流のある新潟県佐渡産コシヒカリを使用。そのお米のおいしさをもっとダイレクトに伝えたいという想いから製法を見直し、焼おにぎりには欠かせないしょうゆも新潟県産にこだわりました。生まれ変わった「CO・OP産直新潟佐渡コシヒカリで作った焼おにぎり」を紹介します。

佐渡のコシヒカリを
焼おにぎりで味わう贅沢。

2015年11月にコープデリ宅配に初めて登場した「CO・OP新潟佐渡コシヒカリの焼おにぎり」は、トキがすむ佐渡の生物多様性を守り、生きものとの共生を目指した持続可能な農業を応援しようというところから開発がスタートした商品です。トキをはじめ、さまざまな生きものとの共生に取り組んでいる佐渡の米作り。農薬や化学肥料を5割以上削減、トキの餌場を守る水田作りなど、生きものにやさしい環境で作られています。また、島特有の海洋性気候のため、夏場は本土に比べて2℃ほど涼しくなることから、佐渡のコシヒカリはじっくりと実り、独特の甘みとコク、粘りのあるお米に育ちます。環境保全に力を入れることでブランド米として広まった「佐渡コシヒカリ」のおいしさを伝えたい、というところから商品開発はスタートしました。

佐渡トキ応援お米プロジェクトとは

このプロジェクトは、佐渡市が推進する「佐渡トキ保護活動」を広めるため、コープにいがた・コープデリ連合会・佐渡市・JA佐渡など7団体が連携し、2010年からはじまりました。
「CO・OP産直新潟佐渡コシヒカリで作った焼おにぎり」のお買い上げ1パックにつき1円を、「佐渡市トキ環境整備基金」に寄付し、生産者が取り組む環境にやさしい佐渡米づくりや、生きものを育むための環境づくりに役立てています。

※「佐渡トキ応援お米プロジェクト」では、「CO・OP産直新潟佐渡コシヒカリ」のお買い上げ1kgにつき1円を「佐渡市トキ環境整備基金」に寄付しています。

リニューアル前の商品を開発したとき、「このお米のおいしさを伝えるなら、チャーハンやピラフよりもシンプルな焼おにぎりがいいのでは」と考えた担当者。お米一粒一粒の食感をきちんと残すこと、コクのあるしょうゆだれで香ばしく焼き上げることなどにこだわりながら開発した焼おにぎりは組合員さんから好評を得ましたが、それから約1年、「せっかく佐渡コシヒカリというブランド米を使っているのだから、もっとお米のおいしさをダイレクトに味わってもらいたい」という想いが生まれ、リニューアルすることになりました。

お米を味わってほしいから、
あえて直火焼きをやめました。

今回のリニューアルで大きく生まれ変わった「CO・OP産直新潟佐渡コシヒカリで作った焼おにぎり」。そのなかでも一番大きな見直しは、焼おにぎりの製造工程そのものでした。これまでの商品では、香ばしさを強調するために高温で2度焼きしたあと、さらに直火でもしっかり焼き色をつけていました。しかし、直火焼きをすることによって表面がパリッとしすぎてお米のうまみよりも香ばしさが勝っていました。佐渡コシヒカリのおいしさをもっと味わってもらうには、直火焼きの工程はいらないかもしれない。そう考えた開発担当者は、2度焼きだけでふっくらとしたお米本来のおいしさを引き出すことにしたのです。その結果、香ばしさもありながら、ふっくらとした食感の焼おにぎりが完成。お米の一粒一粒がしっかり味わえるようになりました。

「CO・OP産直新潟佐渡コシヒカリで作った焼おにぎり」の製造をしているのは、日本水産株式会社(以下、ニッスイ)です。

今回のリニューアルでこだわったのは、お米一粒一粒の食感。そのため、お米の炊き方には気を使いました。入荷したお米は、検査室で水分値を計測し、1合だけ炊いて炊き上がり状態を確認。分析結果をもとに、その日の気温や湿度、天候などの条件を考慮して炊飯しています。

左)入荷したお米の水分値を検査室で計測
右)1合だけ炊いて、炊き上がりの状態も分析

炊飯に使うのは、蒸気炊飯器です。蒸気で一度蒸してから水を吸わせて、さらに蒸す工程へ。蒸すことによって、熱がお米の中までムラなく浸透して、中はやわらかく、外はしっかり炊き上がります。この二度蒸しによってお米のうまみを最大限に引き出すのです。
蒸し上がったご飯には、つや出しと型くずれを防ぐために綿実油(めんじつゆ)を滴下します。その後、かつおだしベースの調味液で味付けし、三角の型に入れて成形。このとき、程よく空気を含ませて、ふんわり、ほろっとした食感になるように握り加減を調整しています。高温の熱風で1度焼いた後、しょうゆだれをスプレーしてさらに250度〜300度の高温で短時間で焼き上げます。この2度焼きによって、表面は香ばしく、中はふんわりとした食感の焼おにぎりに仕上がります。

左)炊きあがったご飯

右)おにぎりはレーンを流れながら、オーブンを2回通り焼き上げられる

リニューアルのもうひとつのこだわりは、しょうゆでした。使用したのは、新潟佐渡コシヒカリと同じ産地の新潟県産大豆を使った本醸造しょうゆ。八王子総合工場冷凍食品工場の平井俊さんはこう話します。
「これまでのしょうゆは、レンジアップした時の香りや口に入れたときの味わいなど、それぞれのしょうゆの特性を生かしながら、総合的に味が完成するように、複数のしょうゆをブレンドして作っていました。今回、“丸大豆しょうゆ1種類だけ”という前提で不安もありましたが、実際に試作してみると、現場のスタッフからは『いつもと香りが違うね』と声がでるほど、いい香りが広がったんです。いい素材をシンプルに使うことで、こんなに違いがでるんだということがわかりました」。

日本水産株式会社 八王子総合工場冷凍食品工場 平井俊さん

よりお米のおいしさを感じられるだしベースの調味液を使い、これまで使用していた液糖やグルタミン酸ナトリウム(化学調味料)を抜いて、シンプルにしたことで、よりお米のおいしさを感じられる焼おにぎりが完成しました。
以前は、中までしょうゆがしみているしっかりとした味付けでしたが、リニューアル後は外側だけにしょうゆだれがかかっているタイプに変更。調味料(アミノ酸等)も一切使わずに、よりお米のおいしさを味わっていただける焼おにぎりになりました。

これまで冷凍食品といえば、大量生産がコンセプト。今回のように原料を選んで指定していく、産地まで行って生産者の方とお話ししながら原料を選ぶことは初めての取り組みでした。原料が季節問わずしっかり確保できるかなど心配なことはありますが、これからは冷凍食品でも今回のような「地産地消」のモノづくりがはじまっていくのではないでしょうか。「CO・OP産直新潟佐渡コシヒカリで作った焼おにぎり」はお米のおいしさ、しょうゆのおいしさを感じられる自信作なので組合員のみなさんに味わっていただきたいです。

日本水産株式会社 首都圏家庭用営業部
冷凍食品第一課 坂井静香さん

焼おにぎりに合う
新潟県産大豆を使ったしょうゆを求めて。

「地域を元気にしたい、食べることで応援したい」という開発担当者の熱い想いから、新潟佐渡コシヒカリと同じ産地の新潟県産大豆を使ったしょうゆを探すことに。焼おにぎりに合うしょうゆを探し求めて、新潟県内のしょうゆ製造メーカー数十社をあたり、取り寄せた何種類かのしょうゆを使って、焼おにぎりの試作を繰り返しました。そのなかで出会ったのが、100年以上前に新潟市で創業した菱山六醤油(ひしやまろくしょうゆ)株式会社(以下、菱山六醤油)の新潟県産丸大豆を使用した「かおり丸大豆しょうゆ」でした。

菱山六醤油

菱山六醤油では、もろみを搾り込んだ生揚(きあげ)と呼ばれる火入れ前の未完成なものを新潟県醤油協業組合から仕入れて、調合・火入れ加工・容器詰めの工程を行っています。
火入れは、しょうゆに個性を与える大切な仕事です。火入れの温度が低すぎると、香りが出ずに色も浅くなってしまいます。反対に、温度が高すぎると焦げたような香りの色の濃いしょうゆになってしまいます。温度調節と時間を見極める火入れの腕によって、しょうゆの味が決まるのです。

左)火入れを待つ生揚
右)火入れをするための機械。この中を流れる生揚の湿度を細かく調整し、火入れを施します

一方、「かおり丸大豆しょうゆ」の生揚までの工程を担っているのは、新潟県醤油協業組合です。

新潟県醤油協業組合

ここで行われているのは、伝統的な本醸造方式での生揚しょうゆ作り。蒸した新潟県産丸大豆と、炒った小麦、それに種麹を入れてしょうゆのための麹を作ります。ここが職人の腕の見せどころで、その時期の気温や湿度によって微細な調節を繰り返しながら麹の様子を見ます。麹ができたら、そこに食塩水を加えます。これがもろみとなり、熟成されてしょうゆとして搾れるまで、適時かき混ぜてもろみに呼吸をさせます。麹が持つ酵素により蛋白質はアミノ酸に、デンプン質は糖に分解されていくのを待つのです。この間に麹菌や酵母、乳酸菌などが働いて分解・発酵が進みます。

左)蒸した大豆と炒った小麦に種麹を入れて、しょうゆのための麹を作ります
右)麹に食塩水を加えてできたもろみが、熟成されてしょうゆとして搾れるまで適時かき混ぜて呼吸をさせます

「しょうゆを作るのは微生物です」と新潟県醤油協業組合の製造担当者。さまざまな微生物の働きによって、しょうゆ独特の風味が醸し出されるのです。熟成されたもろみを絞って、生揚しょうゆにするまでが新潟県醤油協業組合での仕事。新潟県醤油協業組合の熟練された生揚しょうゆ作り、そして菱山六醤油の火入れの技術。その2社の技が融合して出来上がったのが「かおり丸大豆しょうゆ」です。

左)生揚しょうゆ作りを手がける新潟県醤油協業組合 専務理事 佐田直人さん
右)写真左から しょうゆの個性を決める「火入れ」を担当する菱山六醤油株式会社 開発・企画営業補佐 山田隆志さん、菱山六醤油株式会社 工場長 黒井達也さん

天日塩を使い、マイルドに仕上げた本醸造特級の濃口しょうゆは、主役であるお米のおいしさを見事に引き立てる、まさに玄人向けのしょうゆ。これまでの商品では3種類のしょうゆをブレンドして使用していましたが、あえて「かおり丸大豆しょうゆ」だけに絞りました。

佐渡コシヒカリという、そのまま食べてもおいしいお米を使っているので、できるだけシンプルな味付けを目指したのです。丸大豆しょうゆの豊かな香りとコクが、お米の甘みを引き立て、風味のいい焼おにぎりが完成しました。