日本の鶏が、こんなに希少だったなんて知らなかったな。

地域密着型の
循環サイクルで育った
「産直純和鶏お米育ち」
産直純和鶏お米育ち

「産直純和鶏(じゅんわけい)お米育ち」は、日本国内で育種改良された純国産の赤鶏です。「産直純和鶏お米育ち」の開発には、親(種鶏)から国内で育てることで、輸入に頼らずとも「この先もずっと安定的に鶏肉をお届けしていきたい」という想いが込められています。

生まれも育ちも日本のブランド鶏です

国産鶏の親鶏(種鶏)やその親鶏(原種鶏)のほとんどはアメリカやイギリス、フランスなど海外からの輸入に頼っており、純粋な国産原種による自給率はわずかです。もし、種鶏や原種鶏の調達先である国々で鳥インフルエンザなどが発生して一時的にでも輸入が停止した場合、日本の鶏肉生産は大きな影響を受けるリスクがあります。そのようなリスクを回避するためにも、純国産の鶏を育てることには、とても大きな意味があります。

「産直純和鶏お米育ち」は、日本で唯一の肉用鶏ブリーダー(育種改良機関)である独立行政法人家畜改良センター兵庫牧場で育成する純国産鶏種「小雪」と「紅桜」を基礎鶏にして、原種の段階からすべて日本国内で育種改良された、まさに日本の鶏。食料の持続的な自給の面からも海外に依存しない、日本のためのブランド鶏なのです。

日本生まれのブランド鶏「純和鶏」のオス(右)とメス(左)

日本生まれのブランド鶏「純和鶏」のオス(右)とメス(左)

岩手県の大自然のなか、最新設備で養鶏

「産直純和鶏お米育ち」は、岩手県北東部・洋野町にある株式会社ニチレイフレッシュファーム(以下、ニチレイフレッシュファーム)洋野農場で育てられています。遠くに久慈平岳や太平洋を望む自然豊かな土地に、東京ドーム2.5個分にあたる36,000坪もの広大なファームに33棟の鶏舎が建ち並ぶ様は壮観です。

東京ドーム2.5個分にあたる36,000坪もの広大な敷地に並ぶ鶏舎

東京ドーム2.5個分にあたる36,000坪もの広大な敷地に並ぶ鶏舎

岩手県 洋野町にある株式会社ニチレイ フレッシュファーム洋野農場

ニチレイフレッシュファームの松本透さんは、「ここでは最新のコンピュータ養鶏管理システムのもと鶏舎内の温度・換気のコントロールや監視システムによって、快適な環境の中で純和鶏を育てています。鶏は暑さに弱い生きものです。鶏の体温は常に42℃あり、自身で体温調節ができません。そのため、送風機やミストを使用して、鶏にとって快適な環境作りに努めています」と話します。

「『産直純和鶏お米育ち』を愛情を持って育てています」と語る、株式会社ニチレイフレッシュファームの松本透さん

「『産直純和鶏お米育ち』を愛情を持って育てています」と語る、株式会社ニチレイフレッシュファームの松本透さん

もともと「純和鶏」は、“確かな系統”の育種改良で生まれた肉用鶏なので、鶏卵からひなのトレースはもちろんのこと、そのルーツである基礎鶏まで履歴を遡ることができます。「洋野農場でも、ひなの受け入れから養鶏記録、ワクチンなどの薬剤管理まで厳正に管理しています。また、農場内への部外者の立ち入り禁止の徹底など、品質衛生面や防疫面などでもさまざまな管理を行っています」と松本さん。その取り組みのひとつとして、洋野農場では、棟ごとのオールイン・オールアウトを採用。これは、1つの鶏舎に同時に生まれたひなを入れて飼育を開始し、成長したら全てを出荷して、鶏舎を空にした状態で清掃・洗浄・消毒を行い、また新たにひなを導入するという管理方法です。洋野農場では、鶏のいない状況下で除ふん、洗浄、消毒3回、乾燥4回を実施し、鶏の病気などの感染を防いでいます。

さらに洋野農場の大きな特徴は、「純和鶏」の鶏ふんを農場内で肥料に加工していること。環境負荷を抑えた持続可能な農場経営のために、バイオマス資源である鶏ふんを、窒素・りん酸・カリウムを多く含む有機質肥料として活用しているのです。「最新の高速鶏ふん処理プラントは、通常3カ月以上かかる発酵型のたい肥と比べ、1日以内で無菌化された有機質肥料の製造が可能です。鶏ふん特有の臭いもしません」と松本さん。

さらさらとしていて臭いがない、鶏ふんから作られた肥料

さらさらとしていて臭いがない、鶏ふんから作られた肥料

地域との共生を念頭に農畜産循環型生産サイクルを目指し、農場内で「純和鶏」の鶏ふんから作った有機質肥料が近隣農家での飼料用米生産に利用されています。「産直純和鶏お米育ち」はこの飼料用米をはじめ、ハーブなどを配合したこだわりの飼料で、時間をかけて育てられています。

資源の循環を実現した飼料用米の栽培

「純和鶏」の鶏ふんからつくられた有機質肥料は、岩手県軽米(かるまい)町とその近郊の水田で使用されています。「純和鶏」の専用飼料となる飼料用米を生産することで、「純和鶏」を起点とした資源の循環を果たしているのです。ニチレイフレッシュファームでは、JA新いわての協力のもと、稲作農家の方と契約を結び、約325ha(2016年度作付面積)の水田で飼料用米を生産しています。

岩手県 軽米町にある飼料用米専用の田んぼ

岩手県 軽米町にある飼料用米専用の田んぼ

飼料用米とは、主食用米と異なり家畜のえさ用につくられるお米のこと。米の生産調整により生まれた休耕田を活用した飼料用米作りは、田んぼの有効活用や保全につながります。軽米町でも2007年から飼料用米作りをはじめ、その時点で資源の循環を念頭に畜産農家やブロイラーへの出荷を模索。ニチレイフレッシュファームが受け皿となることで、資源循環の仕組みができあがりました。

飼料用米でつながる循環サイクル

飼料用米は、主食用米を作るよりも手がかからないというイメージがありますが、決してそうではありません。主食用米の水田と隣接していることもあり、稲に病気が発生すると主食用米までダメになってしまう可能性があるため、人が食べるためのお米と同じように手間ひまかけて栽培されています。

こうして作られた飼料用米は「産直純和鶏お米育ち」のえさとして利用されています。抗菌性物質を使わずにトウモロコシや小麦などの穀物やハーブをバランス良く配合した飼料に、飼料用米を約20%配合(年間平均値、2016年度実績)。この飼料を飼育期間約60日のうち、後半の約37日間、えさとして与えているのです。飼育中に出た鶏ふんは有機質肥料に加工し、軽米地区をはじめとする岩手県内の田んぼに還元。その肥料を使って、飼料用米が栽培されるという地域密着型の循環サイクルができあがっています。

JA新いわて 北部営農経済センター 軽米地区担当課 課長 大村錦一さん

〜飼料用米を生産しています〜

本来、お米を栽培するための水田が国の政策によりかなわなかったところを飼料用米利用という取り組みによって、栽培する喜びと、自分たちの育てたお米で「産直純和鶏お米育ち」が育ってくれるとのことで、二重の喜びを感じております。今後も農業本来の姿を貫くため、努力してまいります。

JA新いわて 北部営農経済センター
大村錦一さん

日本人好みのジューシーで
コクのあるうまみ

日本人好みのジューシーでコクのあるうまみ

「産直純和鶏お米育ち」の飼育期間は一般的な鶏より長い約60日。じっくり時間をかけて大切に育てています。その肉質は適度な弾力があり、ジューシーで噛むほどにコクを感じるうまみの濃さが特徴です。「産直純和鶏お米育ち」は、日本人好みの素材そのものをしっかり感じられる味わいだと評判です。

飼料用米の生産・鶏肉の飼育・製造・商品の販売までの取り組みがひとつの輪となっている「産直純和鶏お米育ち」には、社会に貢献し、持続可能な取り組みとして活動を進めながら、組合員さんに満足して頂ける商品を届けていきたい、というコープデリの想いが込められています。

住み続けられるまちづくりを つくる責任、つかう責任 陸の豊かさも守ろう

コープデリグループは商品の利用を通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。

「お米育ち豚プロジェクト(飼料用米の活用)」は
こちらから