「どんな料理にも合う」が
コンセプトの
「CO・OPたまごスープ」
お湯を注ぐと器の中にふわっとたまごの花が咲き、スープのいい香りが立ちのぼる「CO・OPたまごスープ」。発売以来、多くの組合員さんから支持されている人気のコープ商品です。和・洋・中、どんな料理とも相性がいいことに加えて、いろいろなアレンジが手軽にできることも人気の理由。その誕生秘話、おいしさの秘密に迫ってみました。
CONTENT
- つながる「どんな料理にも合うスープ」がコンセプト
- おいしいフリーズドライでおいしさそのまま
- べんりアレンジも簡単
「どんな料理にも合う味にしよう」が
合言葉でした
1994年の発売以来、組合員さんから厚い支持を得ている「CO・OPたまごスープ」。製造を手がけているのは、東洋水産株式会社(以下、東洋水産)です。開発がスタートした当初を振り返って「“どんな料理にも合うスープ”が合言葉でした」と話すのは、東洋水産の伊藤宏文さん。「フリーズドライのたまごスープは当時も市場に出回っていましたが、洋風系・中華系・和風系など特定の料理に合わせたものがほとんどでした。そこで、日本生協連の担当者と相談して、どんな料理にも合う味のスープを作ろうということになったんです」。味のベースとして選んだのは、あっさりとしたチキンブイヨン。そこにコクのあるチキンエキスをブレンドして味に深みを持たせ、まろやかな味わいに仕上げました。また、具材にわかめやねぎ、カニ風味かまぼこを使用することで、それぞれの風味も加わり、何度飲んでも飽きのこない、ごはんにもパンにも合うスープになりました。
もうひとつ開発当初からこだわったのは、たまごのふんわり感となめらかな食感でした。「お椀の中でかき玉がふんわりと一面に広がって、最後のひと口を飲み終わるまでたまごが残っているのが理想です。それを実現するために、たまごとスープを合わせる時のタイミング、流し入れるスピード、その後の加熱時間など、何度も調整を繰り返し、数カ月かけてやっと納得のいく仕上がりになりました。完成するまでに100回以上も試作したと開発担当者から聞いています」と伊藤さん。ふわふわで、なめらか、そして最後のひと口までちゃんとかき玉を楽しめるたまごスープが完成しました。
フリーズドライで素材の
味、香り、食感をそのままに
東洋水産では、理想的なかき玉を実現するために独自の製造ラインを作りました。「たまごのふんわり感をいかに出すかが製造のポイントです。家で作ったできたてのたまごスープを再現したかったんです」と伊藤さん。たまごのふんわり感をそのまま再現できるようにと、フリーズドライ製法を採用しました。低温下で乾燥させるフリーズドライは、食品組織が破壊されにくいという特長を持っています。そのため素材そのものの味や香り、食感、栄養成分などを保つことが可能なのです。
製造工程
はじめに、ニーダーと呼ばれる大きな釜でスープを作り、煮立ったところに液卵を流し込んでいきます。
ふわふわのかき玉のスープができあがったらスープと具材を1食分ずつ四角く仕切られたブロック型のトレーに充填します。
次に、マイナス40℃の冷凍庫で一晩かけて凍結(フリーズ)します。その後、凍った状態のまま真空乾燥庫に入れて一気に気圧を下げて乾燥(ドライ)します。
検品を経て包装・梱包し出荷されます。
真空乾燥機の中にマイナス40℃に凍らせたスープのブロックを入れると、水分(氷)が昇華によって気体になります。水分が抜けたところはスポンジのような穴(多孔質)になり、その部分にお湯が入り込んで水分を素早く吸収します。そのため、お湯をそそぐだけで簡単に、“つくりたて”のたまごスープができ上がるのです。
いろんな料理に合う味付けだから、
いろんなアレンジが楽しめます
あっさりしたチキンブイヨンに、コクのあるチキンエキスをブレンド。まろやかで深みのある味わいのスープに、わかめ・ねぎ・カニ風味かまぼこを彩りよくプラスしたチキンとたまごの「親子スープ」。「何度飲んでも飽きのこない味」として、組合員さんに評判です。1994年に5食入で発売、その5年後には「大容量タイプを作ってほしい」という組合員さんの声にお応えして10食入を発売しました。常備しているという組合員さんも多く、そのままスープとして飲むという以外にもさまざまなアレンジで活用しているという声が多く寄せられています。
組合員さんの
「こんなアレンジしています!」
さまざまな食事シーンでご利用いただいている「CO・OPたまごスープ」。「ロングセラー商品は、時代のニーズに合わせたり、活性化を図る目的でリニューアルを繰り返すのが一般的ですが、この商品に関してはほぼ味を変えずにお届けしています」と伊藤さん。家庭でつくるようなやさしい味わいのたまごスープは、幅広い年齢層の方に愛される商品のひとつになっています。