お茶碗1杯分のごはんに
ぴったりの量と形
2006年10月の発売以来、組合員さんから支持され続けている「CO・OPまんまるねぎとろ丼」。お茶碗1杯分のごはんにちょうどいい量とまん丸の形、冷凍庫から出して約1分、水にさらして解凍するだけで食べられる手軽さとおいしさが人気の理由です。「もっと魚をおいしく食べてもらいたい」。そんなメーカーの想いから誕生しました。
こだわったのは、「食べやすさ」でした
製造を手がけるのは、全国でも有数のまぐろ漁獲量を誇る静岡県焼津市にある株式会社カネセイ水産(以下、カネセイ水産)。まぐろ専用の加工場を持つ水産加工会社としてまぐろの一次加工から商品開発まで手がけています。そんなまぐろを知り尽くすカネセイ水産で、「魚が苦手なお子さんや、魚の調理が面倒と感じる方にも、手軽においしく食べてもらえるように」と考案されたのが「CO・OPまんまるねぎとろ丼」でした。
「以前から、ねぎとろはわが社の主力商品でした。しかし、既存商品よりもさらに手軽にご家庭で食べていただけるような商品を目指そうと改良を重ねました」と話すのは、「CO・OPまんまるねぎとろ丼」の開発に携わったカネセイ水産の清水勇亮さん。誰でも手軽に作れて食べやすいねぎとろを目指して開発が始まりました。
四角い袋に入っていた従来品は解凍してごはんにのせる際、袋からねぎとろを絞り出さなければなりませんでした。このスタイルでは、袋の中にねぎとろが残ってしまったり盛りつけたときに見た目が悪くなってしまったりといった問題点がありました。「無駄なく食べられて、誰でも簡単に美しく盛りつけられるねぎとろ丼にできないか…」。その想いを実現するために社内でアイデアを出し合い、たどり着いた答えがそのままごはんの上にのせられる、お茶碗に合わせた丸い形のねぎとろでした。1食分の容量もお茶碗1杯分にちょうどいい40gに決定。
「1食分ずつ個包装にして、使う分だけ手早く解凍できることも重要でした。子どもからお年寄りまで誰でも簡単に開けられて、袋に中身が残らない、そんな理想的な包装フィルムの接着強度を見極めるのにはずいぶん苦労しました」と清水さんは当時を振り返ります。
3種のまぐろでおいしさを追求
「CO・OPまんまるねぎとろ丼」には3種類のまぐろを使用しています。鮮やかな紅色の身と淡泊な味わいが特徴のきはだまぐろ、濃い赤色の身で寿司ねたとしても人気の高いめばちまぐろ、そして肉質がやわらかく淡泊なびんながまぐろ、特徴の異なる3種類を独自の配合バランスでミックス。なめらかな食感と適度なつぶつぶ感を織りまぜ、くせのないおいしさを追求しました。
また、まぐろ専用工場で原料を加工する際、骨や皮が残っていないか、手作業でしっかり確認。個包装フィルムに入れて丸く成形した後、X線検査機を通して異物が入っていないかチェックしています。その後、トンネルフリーザーで急速凍結し、冷凍状態を保ったまま組合員さんのもとへお届け。組合員さんからは「子どもでも簡単にねぎとろ丼が作れて、冷凍庫にあると便利」といった声が多く届いています。
添付のたれも考え抜きました
「誰でも手軽に作れて食べやすい」というコンセプトにとことんこだわって開発された「CO・OPまんまるねぎとろ丼」には、専用のたれが付いています。カネセイ水産とたれメーカーが一緒に開発した、甘口の特製たれです。「開発当初から、子どもたちに喜ばれるものをと考えていたので、たれは甘めにしました。もちろん、普通のねぎとろと同じように、きざんだネギとわさび醤油だけでもおいしく召し上がっていただけますが、特製のたれを絡めて食べると独特のうまみを感じていただけると思います」と清水さん。試作を繰り返しながら、ねぎとろとごはんによく絡む甘口のたれが完成しました。たれはたっぷりめに付いているので、好みの量を調整しながら味わえます。
さらに、納豆やとろろ、温泉卵を加えたり、マヨネーズと和えてパンにのせてからトーストしたりといった食べ方のアレンジも魅力です。
「発売から10年以上経っても、組合員の皆様にご支持いただいていることを社員みんながうれしく思っています。これからも、おいしく召し上がっていただけるよう、がんばって製造していきます」と力強く話す清水さん。ロングセラーは、「もっと手軽でおいしく食べられるように」という作り手の想いが届いた証かもしれません。