幼児食期にちょうどいいサイズと
食感。「CO・OP5種の国産野菜の
ミニハンバーグ(ひじき入り)」
「CO・OP国産鶏肉と
お豆腐で
作ったミニハンバーグ」
離乳食期を過ぎ、幼児食期を迎える1歳6カ月頃から食べられるようにと作られた2種類の冷凍ハンバーグ。いろいろな食材を盛り込めて栄養バランスも考えられるハンバーグは、幼児食の定番メニューですが、材料をそろえて細かくきざんで・・・と、いちから作るのは大変なこと。そんな手間を少しでも軽減できたらという想いから誕生した商品です。
この商品は子育て中の組合員さんを応援する乳幼児商品シリーズ「CO・OPきらきらステップ」の商品です。
忙しくても、いろいろ食べてほしいから
子どもによって食べ物の好みがはっきりしてくる幼児食期。親としては、いろいろ食べてもらいたいけれど、少ししか口にしてくれなかったり、日によって食欲にムラがあったり、まだ限られた食品の中で栄養バランスを取るのは難しく、幼児食の悩みは、尽きることがありません。
そこで、考えられたのが、幼児のためのハンバーグです。子どもに食べてもらいたい食材を盛り込み、食べやすいサイズのハンバーグにすれば、一度に数種類の食品が無理なく摂取できます。「これなら、育児を頑張る組合員さんたちの負担を少しは軽くできるのではないかと考えました」とコープデリの二神開発担当は振り返ります。
また、親としてはできるだけ手作りしたものを子どもに食べさせたいものですが、子育ては食事の準備だけではありません。忙しくて手が回らないことも。
そこで、冷凍食品でも手作りと変わらない素材選びや味付け、作り方にもこだわった「CO・OP5種の国産野菜のミニハンバーグ(ひじき入り)」と「CO・OP国産鶏肉とお豆腐で作ったミニハンバーグ」が生まれました。「CO・OP5種の国産野菜のミニハンバーグ(ひじき入り)」には、たまねぎ、かぼちゃ、にんじん、ほうれん草のほか、下ごしらえに手間のかかるごぼうや国産ひじきも入っています。「CO・OP国産鶏肉とお豆腐で作ったミニハンバーグ」は、子どもの成長に欠かせないタンパク質を含む国産大豆と国産鶏肉を使用しています。
「自分で食べたい」気持ちを応援
今回、商品化に向けて、幼児食期のお子さんを持つ組合員さんにお子さんと一緒に集まってもらい、試食会を実施。1回目の試食会では、味、品質について高評価を得られましたが、1つ30gという大きさには、「大きすぎる」「1食分としては中途半端」「手づかみ食べができるサイズにしてほしい」という意見が。
この時期の幼児は、「食べさせてもらう」ことから「自分で食べる」ことへ好奇心を抱く頃。食事を通して、栄養を摂取するだけでなく、食べることへの興味や食べる楽しさを知ることを育んであげたい時期です。
「実は当初、キャラ弁にも使えるようにと1つ30gの大きさを考えていました。ところが、組合員さんたちからは『1歳半くらいではキャラ弁を理解できない』『それよりも手づかみ食べができる小さめがいい』という声が聞かれました。自分たちが良いと思って企画したことが、子育て中の組合員さんには全くひびかなかったんです。」と二神開発担当。しかし“組合員さんとのズレがある”と組合員さんに気づかせてもらえることは、よい商品をつくるチカラにつながります。組合員さんの想いを受けて、取材当時は1つ約20gという商品の規格が決まりました。また、奥歯が生える前の幼児が歯茎でもつぶしやすく、手で持ってもすぐに崩れない、硬すぎずやわらかすぎない食感にも、組合員さんからの声が反映されています。
“つくる人”も想いは同じ
ハンバーグの主体となる鶏肉は、混入する恐れのある鶏骨を手作業で除去し、さらにミンチにする機械の穴を直径2.4mmまで小さくして鶏骨を紛れ込ませないよう万全の対策を取っています。
鶏肉や野菜など主な原材料は国産を使用。味付けは、いたってシンプルに。香辛料は使わず、塩味をひかえめにして幼児が食べやすい味に仕上げました。
「おいしさにもこだわりました」と話すのは、製造を担当するJAフーズさがの商品開発担当、岩村梓さん。ご自身も6歳の子どもを育てるお母さんとして、離乳食や幼児食を経験しています。「私だったら子どもに食べてもらいたいと思うかということを念頭に、何度も試作を繰り返しました」と振り返ります。
彩りや食べやすさも大切ですが、岩村さんは味にもとことんこだわりました。わずかな塩とチキンエキス、しょうゆなどで、素材の持ち味を生かして味付け。また、「子どもが食べやすいように、使っている5種の野菜は全て細かくきざみました」と、見た目や食べやすさにも配慮しています。
試食会では組合員さんたちから「子どもが手づかみで食べやすそう」「野菜が5種類もとれるのはうれしい」「野菜は小さくきざんであるけれど、それなりに形が残っているのがいい」という声もいただきました。そんな組合員さんたちの声が、この先も「子どもの食」の面から子育てを応援する、商品開発の力になってくれることは間違いありません。
“安全であること”を第一に
子どもには安心できる食品を食べてもらいたいというのが、お子さんを持つ組合員さんたちの共通した想い。「CO・OPきらきらステップ」シリーズは、通常のCO・OP商品の品質基準に加え、乳幼児向け食品に求められる安全性や品質に関する開発要件を新たに設け、商品を作っています。
「離乳食初期や中期に比べ、完了期や幼児期には使用する食材の数もぐんと増え、その分、異物混入の問題や野菜の残留農薬、アレルギーなどへもより一層の配慮が必要になります」と二神開発担当。そこで、生産ロットごとにアレルゲン検査を徹底しています。
「幼児食の製造は、私たちにとって新たなチャレンジでした」と話すのは、営業担当として岩村さんと一緒に商品開発に携わったJAフーズさがの川添力さん。
「まだ小さな子どもが口にするものですから、普段にも増して異物混入などには神経を使います。使用する食材は、仕入れの段階からしっかり管理。工場内の清浄性がもっとも高い、朝一番から製造を始められるようにスケジュールを組むなど、安全面の管理を徹底しています」。
川添さんは工場のスタッフと何度もミーティングを重ね、安全管理への想いを共有しました。「二神開発担当と打ち合わせを繰り返すうち、子育て中の組合員さんの力になりたいという強い想いが伝わってきました。その想いに応えるのが私たちの使命だと思いました」と川添さん。試食会では実際に組合員さんの生の声を聞き、商品を製造する立場としてより一層気持ちが引き締まったとも。
この小さなハンバーグの中には、製造に関わるすべての人のたくさんの想いが込められています。